第4話 輝きの海へ

どのくらい潜ったのかもさえ分からない。


今の自分には、潜った時間も深さも分からなくなっていた。

そして、この暗闇は恐怖でしかなかった。


恐怖は更に譲治の身体を硬くし、動かなくしていたが、止めるわけにはいかなかった。

『真琴』

その想いだけで、脚を動かした。


暗い世界に光りが見えた。譲治はその光を目指し、泳いだ。それが、海底なのか、海上なのか、今の自分には分からないが、苦しみは無くなった。

何故か真琴の匂いを感じた。



それは奇跡なのかもしれない、皆が諦めていた譲治が離れた海岸で発見された。


「真琴、俺はまだそっちには行けないみたいだ。」

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碧き海の中で 奇想の森 @inoyan69

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