嬉野貴緒と錯乱さま♪
五木史人
末法の世にて。
「まさか!ここは異世界?」
上級鬼の
人間界ではありえない格好をした人々。
勇者の様な・・・
魔法使いの様な・・・
賢者の様な・・・
魔族の様な・・・
獣人の様な・・・
人々が溢れている。
「拙者は異世界に迷い込んでしまったのか!?あっ魔物がいる!」
上級鬼の
コスプレパレードに偶然通りすがった魔物ではなく悪そうな人は、上級鬼の
「ぎゃああああああああ!」
「
やたら縁起の良い名前の
悪が栄える末法の世で生きている。
むしろ異世界だったらいいのだが、ここは現実。
「おーい、そこの鬼さん!」
と上級鬼の
「あっ死神の錯乱さま」
至って普通の人間である
死神の錯乱さまは、体操服を着て赤い帽子をかぶり、鎌ではなく薙刀を持っていた。
「ダメでしょ!鬼さん!まだ生きてる人をどついたら、めっ!ねえ」
錯乱さまの背は、
何も見えないが、何かいるのであろう。
「いや違うの、違うよ!この『ねえ』はね、そう言う意味じゃなくて。違うんだって、恋しとかじゃないんだって」
と死神の錯乱さまは、顔を赤らめた。
上級鬼の
10人近い人数だ。
悪そうな人々の常で、より弱そうな者へ当たるのだろう。
「いや・・・・、違うんです。ぼくは・・・」
弱い人間に過ぎない
悪そうな人の1人が、
「何をすんじゃ!うちの恋人候補に!悪人どもめ土に帰りやがれ!」
体操服を着た少女の薙刀が何振りもした気がした。
悪が蔓延る末法の世では、この程度の事件は、大して話題にもならないらしい。
完
嬉野貴緒と錯乱さま♪ 五木史人 @ituki-siso
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