最終話
美蕗と会って話したいという願いが聞き入れられないまま、数週間が過ぎ、寛奈の元に一通の手紙が届いたのは、大学構内に自生する種々の植物が青葉を眩く繁らせ始める頃だった。
*
甘粕寛奈様
貴女のことは、
美蕗からきいていたわ。
とても小さな頃から、
ずっと親切に、優しく接してくださったのね。
有難う。
今さら、こんな事を言っても、
恐ろしく思われるかもしれないけれど、
出来れば、これからも、そうして下さると嬉しいわ。
もう気づいていらっしゃるかもしれないけれど、
美蕗は、今、人前に出るのが難しいの。
躰が、例えば風邪をひいた時には、
本人に動く力がなくても、周りが介抱して、
回復を手助けしてやる事が出来ますね。
骨折や捻挫でもそう。
では、精神が壊れてしまった時は?
普通のやり方では、治してやる事は出来ません。
だから私がいるの。
彼女は今、深い眠りについています。
走り回っていては、風邪が治らないように、
患部に負荷をかけ続けていては、骨が元通りにはならないように、
彼女の精神は、現実と遮断された場所で、休息を必要としているの。
でも、悲観はしないでね。
もうじき帰ってきます。
コンフィズリィを削って a carillonist 梅室しば @U_kal1
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