第2話 キビダンゴ
-side アイザック-
『トカゲだあああああ?お主誰に向かってそう言っておる?』
「と、トカゲが喋ったあああ?」
『ああ--?』
--ビリビリ……ビリビリ
目の前のトカゲは益々怒っている様子だ。
俺、なんかしちゃったべ?
「うちの近所には結構お前さんみたいなトカゲが多くいるべ。お前さんは新種のトカゲべ?」
『我はトカゲではなああああああああい!』
トカゲではないらしい。俺も喋るとかげは見たことがないから、似ているだけで別の種族なのだろう。
「なんと!?トカゲではないのだったらお主はなにものだべ?」
『我はエンシェントドラゴンというものだ』
「エンシェントドラゴン!?神話級の魔物だべ。全然信じてなかったけど、ここがただのど田舎ではなくて、神話級生物は沢山いる森というのは本当だったべ?」
『神話級の生物が我のことなのかは知らんが、我が強いのは本当だ』
「ほえー、そりゃ、失礼な事したべ。あ、これ、お詫びの品のキビダンゴべ」
『お主……なんか調子狂うな。怒っていたが忘れてしまったのう。それはそれとして、なんだそのオシャレな食べ物は、うまそうだから頂こう』
ちなみに、キビダンゴの作り方は以下の通りだ。
材料 (10個分)
• きび粉(または白玉粉) … 100g
• 上新粉(または米粉) … 50g
• 砂糖 … 50g
• 水 … 150ml
• 片栗粉(手粉用) … 適量
手順
1. 粉を混ぜる
ボウルにきび粉、上新粉、砂糖を入れて混ぜる。
2. 水を加えてこねる
水を少しずつ加えながら、耳たぶくらいの柔らかさになるまでこねる。
3. 生地を蒸す
生地をラップに包み、蒸し器で約20分蒸す。
4. こね直す
蒸し終わった生地を再びボウルに戻し、木べらなどで粘りが出るまでしっかりとこねる。
5. 形を整える
生地が触れるくらいに冷めたら、手に片栗粉をつけて適当な大きさ(約3cm)の団子状に丸める。
6. 仕上げ
お好みで竹串に刺したり、包装して保存。
「ポイントは蒸した後のこね作業で弾力が増し、もちもち感がアップするべ。あと、餡を包んだり、抹茶やきな粉を加えることで風味を変えることもできるべ」
エンシェントドラゴンさんは俺のサイズに合わせて体を小さく縮小させると、ペロリと一口で団子を食べた。
『う、うまい!うまい!それに、なんだこの効果は!?まさか、エリクサー?』
最高にアゲなキビダンゴを食べたエンシェントドラゴンさんの体がキラキラと光っている。
長年蓄積していた傷が一気に治ったようだ。
「おっ!お前さん!中々見る目あるべ!そうだべ!これはエリクサーと同じ効果を持つお団子だべ。最高にアゲでナウいだべ!」
『そのノリはよく分からんが、お主がとてつもない薬師であることはよく分かった。まさか、我が昔宿敵であるフェンリルとやり合った時にできた傷を癒すとは』
エンシェントドラゴンさんと言われてビビっていたが、中々、話もわかるドラゴンさんだべ。
それにしても、ここにはこれまた神話級生物であるフェンリルさんもいるべ。
うちの隣町、とんでもない魔境だったべ。
『ふむ。これも何かの縁だ。決めた!今日から、お主の従魔になる』
一瞬何を言われたかよく分からなかった。そして絶叫。
「どええええええええええ!!!」
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勇者パーティから追放された薬師見習い、実は最強のレベルアップグルメ製作者〜魔境で神話級生物を餌付けしてダンジョン攻略スローライフ送ります〜 西園寺わかば @book_hobby
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