とにかく生々しい

寛永十四年。島原の乱。切支丹。忍者。
ガッツリ時代物かと思ったら、異世界転移。
魔法や司祭や騎士団がでてきたので、ファンタジーなふわっとした戦闘がはじまるのかと思ったら、大間違いでした。

自分の見識と読書範囲の狭さを恥じるばかりです。

歴史や忍者、宗教、民俗学、方言研究をしているわけではないので、正しいのか考証できないのですが、すごくリアルで人物たちが生きているような物語と感じました。

会話は方言、時代を感じさせる単語も随所にみられ、作品(人物、背景)に厚みがでています。

読めば、黒澤監督作品や忍法系の有名作品を思い出すのではないでしょうか。

忍び故の悲しい生き方、敵の勝利へかける残忍さ。
血生臭さ、泥臭さ、人間臭さ、散り際……とにかく、色々なものが生々しく感じられたお話で、ラストはとても余韻が残りました。

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