武俠小説とは中華風ラノベである
知己
第1話
はじめまして! カクヨムで細々と小説を書かせていただいている知己と申します。
その中の数作品の中に武俠小説というジャンルのものがあります。武俠小説とは、かいつまんで言うと、中国の
中国の小説と聞くと漢字が多くて、幼い頃から西洋ファンタジーの横文字に慣れ親しんだ現代の日本人からすると、とっつきにくいと思われるかも知れませんが、ドラゴンボールやハンターハンターなどの漫画を読まれる方でしたら、さほど抵抗なく入っていけると思います。何故なら我々日本人も漢字を使う民族なのですから。
武俠小説の第一人者は
この金庸先生のなにが凄いって、豊富な知識に裏打ちされた重厚なストーリーだとか、まるで登場人物の息づかいが聞こえるような圧倒的な描写だとか挙げたらキリがないんですが、個人的にはやっぱりキャラクターが立っているのが一番かと思います。
初期作の主人公は、今流行りのチート系であまり個性が無いんですが、4作目あたりから、愚鈍だけど大器晩成、イケメンな上に頭が切れるが激情家、優柔不断で人に流されやすいが最終的に最強、寂しがり屋の酒好きだが自由奔放な好漢、突如自分のアイデンティティが180度変わり親の代からの運命に翻弄される悲運の漢など、魅力的な主人公が多数登場します。
しかし、そんな主人公たちと同等以上の存在感を放つのが、一癖も二癖もあるヒロインたちでしょう。
彼女らは配された主人公に対をなすような性格で、善悪の感情にうといが天才的な頭脳の持ち主、生まれてからずっと地下迷宮で育ったエキセントリックな美女、優柔不断な主人公を手練手管で騙す魔女、主人公に一目惚れしてしまうが恐るべきツンデレぶりを発揮する邪教の娘など、出会うヒロイン全員が実の○でハーレムエンドなど、50年以上前の人物設定とは思えないほどです。さすが中国大陸、恐るべし。
つまり武俠小説とは、単純にバトル物としても面白いですし、歴史物や恋愛物、ハーレム物などの要素を兼ね備えたエンターテインメントとして強くお勧めさせていただきたいのです。
私は金庸先生の作品を読むたびに感動の涙を流すほどのファンで、余りに好きすぎて自分でも武俠小説を書いてしまった次第です。
ちなみに武俠小説作家には台湾の
どちらかと言うとハードボイルドで完成された主人公が多いのですが、改題されて出版された『マーベラスツインズ』なんかは少年マンガ好きには設定がくすぐられましたねえ。(人気がなかったのか途中でエタってしまいましたが笑)
と言うわけで、金庸先生の作品は図書館でも割と置いてありますので、この駄文で少しでも興味が湧いてこられたなら手に取っていただけたらと思います。そして、できれば拙作も目を通していただけたら幸いでございます。
さて、ここからは少し難解な武俠用語を簡単に解説させていただきます。もう少しだけお付き合いくださいませ。
〜 武侠小説・用語集 〜
『内功』・・・中国武術の氣のこと。ドラゴンボールの物とほぼ同じと思ってください。武俠世界では氣が命です。技がクソでも内功が強ければ勝てます。
『外功』・・・筋力のこと。武侠世界では内功が伴っていなければ役に立たない。単純に技を指す場合もある。
『硬気功』・・・身体に気を巡らせる防御法。ハンターハンターの堅と思ってください。レベルが高いと刃物も通さない。
『軽功』・・・身体に気を巡らせ、超スピードで走ったり、ジャンプ力を高めたりすること。中国映画のワイヤーアクションですね。
『掌門』・・・組織のリーダーのこと。総帥。
『門派』・・・日本語で言うと流派。
『師父』・・・師匠のこと。親のようなもので、逆らうことは許されない。
『師叔』・・・師父の弟弟子のこと。兄弟子は師伯。
『師兄』・・・兄弟子のこと。姉弟子は師姉。妹弟子はそのまま師妹。
『鏢局』・・・現在でいうア○ソックなどの運送警備会社。
『鏢師』・・・鏢局に雇われた用心棒。
『器械』・・・武器のこと。
『暗器』・・・小刀や針などの飛び道具。毒が塗ってある場合もある。
以上になります。最後になりますが、これで少しでも武侠小説に興味が湧きましたら、以下のリンクから拙作に飛べますので、初武侠にチャレンジしてみて下さい😆
【完結】暴虎馮河伝 〜続編あり〜
https://kakuyomu.jp/works/16816410413890196080
↓はライト目な中華×西洋ファンタジー
『弱小領主のダメ息子、伝説の竜姫を召喚する。』
https://kakuyomu.jp/works/16818093078753347573
武俠小説とは中華風ラノベである 知己 @tmk24
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