「普通の人」と「普通じゃない人」の瞳に映るもの
- ★★★ Excellent!!!
昼星さんの描く登場人物には、いつもどきどきさせられてしまいます。
今回の主人公は発達センターに勤める男性、和馬さん。
彼は職場で発達障害の子どもたちと過ごしていますが、個性豊かな子どもたちの相手をするのは大変! 読んでいると、和馬さんと一緒になって、「やりたくない!」と駄々をこねるとわちゃん(永遠ちゃん?)がゴロゴロし始めるのにほっとしたり、他人の物を勝手に借りてしまうミクちゃんが不遇な扱いを受けてもちゃんとがまんできたことに拍手をしたりしてしまいます。
以前、笑い話としてですが、お風呂の後にパンツ履きたくない! と駄々をこねる小さな娘さんを前にして、「じゃあパパが履いちゃおうかなー」と言って女児パンツに足を入れかけたところ、間一髪で娘さんが「だめ! あたしが履くの!」とパパからパンツを奪い取って事なきを得たという奥さんが書いた記事を読んだことがありますが、個人的には咄嗟にそういう発想ができる方をとても尊敬しております。見習いたい!
脱線しました(汗
今回の昼星さんのお話を読んで、私は灰谷健次郎の太陽の子を思い出しましたが、昔から「普通じゃない」子との接し方には大きなテーマがありました。戦後の経済発展を目的とした(と私は勝手に思っている)日本の教育方針には、「普通じゃない」子の入り込む余地が中々ないのです。
また、「普通」の人の目には、「普通じゃない」人の見えているものが見えにくい(見えないのか、見ようとしないのかは置いておいても)というという問題もありましょう。「普通」の人たちは、「普通」でいるために、時にキュウキュウとしていたりするのです。
長文になってしまいました。
そこのあなた! 和馬さんとご一緒に美しい子どもたちとお過ごしになって、ほんの少し「普通」というテーマについてお考えになったりしませんか?
お薦めですぞぉ!!