1437 ミノルママ

 眞子が倉津君の行動に感動しながらも、喫茶ミノルちゃんに入店した2人。

だが、その店の店主であるミノルちゃん(オカマさん)が、あまりにも下品なネタを飛ばしてくるので店を変えようとしたら『逃げたら、キスの嵐を吹かすわよ』っと倉津君を脅してきて妨害する。


***


「辞めてくれ、ジジィババァ。そんな真似までして、俺を、あの世に送る気か?」

「じゃあ、殺されたくなかったら、大人しくドリンクの注文頂戴。ド・リ・ン・クの」

「……ったく、わぁったよ。ホントこの糞ジジィババァだけは、どうしようもないな。……眞子、なに飲むよ?」

「えぇっと、じゃあ、オレンジジュースかな」


アルコールはね。

結構、肥える原因に成るから出来るだけ飲みたくないんだよね。


適度な運動をしてても、アルコールを飲んでるだけで、簡単に肥えちゃうからね。


故に1年間程、禁酒中です。


まぁ、それ以前の問題として、未成年の飲酒は法律で禁じられてるしね。



「オイオイ、そりゃあねぇだろ、眞子。偶には飲もうぜ。オマエ、飲めんだろ?」


それって……姉弟で一緒に飲むお酒をご要望ですか?


解りました。


本来なら、こんな時間には、絶対に、なにが有っても、お酒なんて飲まないんだけど。

今日は、特別、真琴ちゃん男気に惚れたんで、禁酒は解除します。


ご要望と有らば、朝まででもトコトン付き合わせて貰いますよ。



「あぁ、うん」

「じゃあ、注文し直しな。なに飲むよ?」

「バカルディー(ラムの銘柄)をロックで。チャイサーは要りません」

「へっ?」

「ブッ!!オマエ、それガチの奴じゃねぇかよ」

「うん。だって今日はね。本当に凄く嬉しかったから、真琴ちゃんのお酒にトコトンまで付き合いたい気分なんだよ」

「はぁ?なにが、そんなに嬉しかったんだよ?」

「なにが?って……」


えぇ……マジで無自覚のまま、あんな事が言えたの?



「えぇっとね。真琴ちゃんがね。みんなの事を、本気に考えてくれてたのが嬉しかったの。だから、飲んでも良いんだったら、今日は嬉しいお酒で酔いたい気分なんですよ」


無自覚であろうとなかろうと、此処は本当に嬉しかった。


『真琴ちゃんの事を馬鹿だとか、消えちゃえば良いのに』なんて最低な事を、過去に、何度も思ってた自分が情けないよ。


こんな良い姉弟が消えて貰っちゃあ困る。


私は、今日それを再認識した。


だから今日からは、今までみたいな中途半端な接し方をするんじゃなくて、本当の姉弟だと思って……身内だと思って、打算なく接していきたい。


もぉ、そう言う接し方以外は辞める。



「ふ~~ん。なんか、その様子じゃよぉ。さっきの話が相当効いたみたいだな」

「うん。凄く効いた。うぅん。思い知らされた。真琴ちゃんが、最高の姉弟だって事にね」

「うん?姉弟?妹さん?クーさんの妹さんって、こんな感じの子だったかしら?」


誕生日から言うと、妹じゃなくて、どちらかと言えば姉かな?


因みにですが、妹は真菜ちゃんですね。

私なんかよりも、もっともっと可愛いですよ。



「あぁ、違う。コイツは俺の親戚だ。姉弟みたいなもんだって話だ」

「ふ~~~ん、親戚ねぇ。それにしては、クーさんに全然似てないわね。可愛いじゃない」

「オイオイ、ジジィババァ、ちょいと軽口が過ぎるんじゃねぇか?調子に乗ってると軽く殺すぞ。俺の親戚だから、眞子は可愛いんだろうが」

「あら。眞子ちゃんって言うのね。可愛いわね。嫉妬しちゃう」

「あぁ、そんなそんな。恐縮です」

「あらあら、本当に可愛いじゃない。じゃあママが、この出逢いに、最初の一杯目は奢ってあげるわね」

「オイ!!俺が脅してるんだから、ちょっとは聞いたらんかい、糞ジジィババァ!!」

「バカルディーのロックで良いの?」

「えっ?あの……」

「マジで聞けや、ジジィババァ!!」


ごちそうさまです。



「……ってか、ジジィババァ。もぉ限界だ。席、ボックスに移るからな」

「なんでなんで?もっと3人で楽しいトークをしましょうよ」

「イラネ。つぅかよぉ。此処に居たんじゃ、ジジィババァの糞クダラネェ与太話に邪魔されて、眞子との話も出来やしねぇ。断じて、お断りだ」

「独占欲ね。眞子ちゃん可愛いもんね」

「アホか!!コイツと俺は親戚だって言っただろうに、だから色恋沙汰には発展しねぇの」


そうだね。


でも、さっきは『ちょっと格好良いな』とは思いましたよ。

抱きしめられた時、不覚にも『どきっ』としちゃった部分もありますしたしね。


元自分自身だって言うのにね。



「あぁ、そうなの。こんなに可愛いのに勿体無い」

「アホ臭い」

「なんでなんで?」

「あのなぁオッサン。眞子が可愛い以前の問題として、コイツには彼氏が居るし、俺には彼女が居るの。だから、そう言う感覚には一切合切ならねぇの」


あっ……『俺には彼女が居るの』って言葉を言うって事は、本当に全て許してくれてるんだね。


少し不安が残ってたんだけど。

この言葉は、奈緒ネェの事を指して言ってくれてる筈だから、なんだか凄く安心する言葉だ。


これは、本当に嬉しい。



「あら、この子ってば彼氏付きなの。残念」

「オッサン……なに密かに眞子を狙ってやがんだ」


突然、態度が変わってなんですが。


当然パスです。

死んでも、お断りです。


勿論、オカマさんを差別する気はありませんが。

ミノルママだけは、死んで、腐り果てても嫌です。


無理です。



「……さぁ~~て。飲み物を淹れて来ようかしら。ピュピュピュピュピュ~~♪あぁ忙しい忙しい」

「なんか、どこかで見た様な誤魔化し方だな」


言ってる本人だけどね……


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

毎度アホな話に最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪

<(_ _)>


はい、予定通り、ミノルママの糞みたいな話を書いてみましたぁ♪


ヤッパリいりませんね。

はい、十分に分かっております<(_ _)>


まぁまぁ、そうは言いましても。

ミノルママがアホな話のお陰で、眞子の気持ちが和らいだのも事実。


だからまぁ、そんなに悪くなかったと思うんですけどね。

一杯奢って貰えた訳ですし……

(↑ショボイ(笑))


さてさて、そんな中。

漸く本題に移る為に、この後ボックス席に移動する2人なのですが。


まぁ、これから倉津君のする話は分かるとはいえ。

その話に対して眞子は、どの様な事を思うのか?


次回は、その辺を書いていきたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来てくださいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


あっ、これは余談ですが。

私がNovelismさんで書かせて頂いた過去作『クライカコ』にミノルママは登場しているので、実は初出じゃなかったりします(笑)


概要はこちらまで↓

https://novelism.jp/novel/qayj_AzURyqYxR-UHvghqA/


どうでもいい情報でしたぁ(笑)

(*'ω'*)b

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