もものお香
もう銘柄も覚えていない。
もっと遡れば「香り付き消しゴム」「香り付きビーズ」「匂いペン」などに行きつくのであろうが、私が純粋に香りだけを楽しむものとして買ったのはおそらくこれが最初である。
小学校高学年か中学生に上がるかのころだったと思う。当時私は夏休み、冬休みには母に新札幌のサンピアザ水族館や青少年科学館へ連れて行ってもらっていた。それが終わったら駅近くのショッピングビルに入って母が少し買い物して帰る、という流れだった。その、母が用事を足しに行った雑貨店にお香コーナーがあったのだ。何を思ったのか今ではわからないが私はそこの、もものお香が猛烈に欲しくなり、さほど高価な品ではなかったので自分の小遣いで買ったように思う。円筒形の紙の容器で、かさかさしていた。
中身はコーンタイプ(工事現場の参画コーンを思い浮かべていただきたい)の香で、火をつけなくてもとても香った。私はそれをしばらくの間弄んでいたが、ある日母に許可を取って焚いた。信じられないくらい強い香りがして、同居していた祖母の雷が落ちた。以降「もものお香」は焚くことを禁じられ、私はそれをたまに取り出して嗅ぐだけで楽しんだ。
珍事というか、このもものお香が家族公認で役に立った時が一度だけある。玄関風除内にスズメバチが侵入したときに、煙で燻そうという話になりその香が使われたのだ。目論見通り、蜂は死んだ。
当世数寄者けむりくらべ 猫田芳仁 @CatYoshihito
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