常につま先立ちの人生だ
澄ノ字 蒼
第1話
「蒼さん、ちょっといいですか。アンケート入力をお願いしましたよね。他の人にWチェックをお願いしたのですが、かなり間違っていましたよ」
僕は、赤字で真っ赤の原稿を手にショックを受ける。僕ってこんなにダメ人間だったかな。さらに追い打ちを掛ける。ほかの仕事でも何十分かのテープ起こしを行っているのだが、年末に終わることを目標にしていたが年始にまで持ち込んでしまったのだった。
その日は雨が降っていたのだが、あえて頭を冷やすために傘をささずに帰った。少し悔しかったのだった。だって得意な国語でこんなにたくさんのミスをするなんて。
一応何十年も小説を書いてきた自負もある。
友達に相談する。
「僕ってIQ低いのかなあ。高いのかなあ」
友達は一言。
「そんなこと聞いている時点で言われたい言葉は決まっているんじゃないの? そんなの自分で考えなよ」
年末に入って、時間が少し余る。「努力 格言」で調べる。
そしたら、いろいろと出てきた。
「天才とは努力する凡人のこと」である
アインシュタイン。
「成功とは小さな努力の積み重ね」
松下幸之助。
「迷いはやる気の証拠」
誰かはわからん。
あとこんな言葉が出てきた。たかがテストとかでIQとかをはかれるのだったら山下清やジミー大西とかはどうなるのでしょうか。と
その言葉を読んでいるうちにだんだん元気が出てきた。
「僕自身が出来る子が出来ない子かは分からない。だけど、精いっぱいつま先立ちして背伸びをして愚直に生きていきたい。それが僕の生き方だから。逆に言えばその生き方しかできないんだよ」
家で自家製のおでんを食べつつまた頑張ろうと思えた。僕はまだ伸びしろはたくさんあると信じたいし、信じてる!
常につま先立ちの人生だ 澄ノ字 蒼 @kotatumikan9853
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