転校生
「注目しろよー、こちらが今日からみんなと過ごす転校生、佐々木柊さんだ」
俺は山岡先生にそう言われ頭を少し下げる。
周りはとてもザワついている。
「えー男かよー」
「結構かっこよくない?」
「やば!」
色々な声が飛び交う中、山岡先生は声を張る。
「今日からの佐々木さんの席なんだけど……
村上、隣いいか」
村上、と呼ばれた女の子はビクッとさせて不満そうに山岡先生を見る。
その周りでは生徒が色々と喋っている。
「席近いやった!」
「村上の隣いいなー」
「てか村上さんと佐々木くん、お似合いそうじゃない?」
「静粛に!じゃあ村上、後は頼むぞ」
そう言って山岡先生は退室して行った。
俺は皆にじろじろ見られながら席についた。
席についてすぐ、前の席の子が話しかけてきた。
「なぁ佐々木、俺は加藤、よろしく」
そう名乗った加藤という子は笑いながら言った。
「佐々木はどこから来たんだ?」
加藤からの質問に俺は戸惑った。
この辺りの地名も知らないし、なんと言えばいいのか……
戸惑っていたところ斜め前の女の子が口を挟んだ。
「ねえ、佐々木くん」
戸惑っていたところだったので、俺は女の子の方を向いた。
「どうしたの」
俺が答えると女の子は言った。
「得意な教科とか、あるの?」
そう聞かれたおれは、こっちの世界にもありそうなことを言った。
「世界史かな」
そう言うとその女の子はキャーと言って顔を背けてしまった。
「私、話しちゃった」
そういう声が聞こえたが聞こえないふりをして横を向いた。
横は確か村上、という人だったはずだ。
さっき山岡先生が言っていた。
「村上、さん」
俺が村上さんにそう言うと、村上さんはこちらを向いた。
「はじめまして、佐々木くん。てかなんで隣が私なんだろうね、何を考えてるんだろ先生は」
すると、前の席の加藤が俺に囁いた。
「この学校では隣になった奴が学校の施設とか案内しないと行けないことになってるんだぜ、多分だけど村上、照れてる」
村上さんにも聞こえてしまったのか村上さんは慌てた様子で否定する。
「ちがうって、めんどくさいだけよ」
加藤にそういった言葉は震えていた。
その後、村上さんはそっぽを向いてしまった。
仕方が無いので加藤と話すと、加藤は色々と自分のことを話してくれた。
野球というスポーツで全国大会に行ったことがあること、テストは赤点ギリギリで成績はあまり良くないことなどだ。
俺は口が裂けても世界最強の魔術師とは言えないため合ずちを打つしかなかった。
正直、近くの人達がこんな人たちで不安しかない。
世界最強の魔術師が転生し世界平和を願ったならば ゆすらぎ @yusura_gi
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