炎の力は彼女にとって祝福でありまた呪い。自分が何者であるのかを探る物語

  • ★★★ Excellent!!!

ひっそりと森で暮らしていたジャニ。だが、突如現れた王子ダルシャンに「妃となり〈炎神アグニの験しるし〉として自分を王にする役割を果たせ」と迫られる。半ば強引に連れ出され、壮麗な王都で新たな生活を始めるものの…… 戸惑いは隠せない。

ジャニが持つ炎の力は、彼女にとって祝福でありかつまた呪いでもある。その力をどう扱うべきか。そしてそれは彼女をどこに導くのか。

壮大な世界観と内面の葛藤が巧みに絡み合った情感豊かな物語です。たまたまワシは印哲をむかし少しかじったので楽しく読めましたが、「え?インドが舞台??」と尻込みするユーザーも少なくないかもしれません。

〝〝〝しかし!!〟〟〟……大丈夫です。

ほかのレビュワーさんも書いてくれていますが、この作者さま、とってもそこは平易に、ロマンチックかつ、ドラマチックかつ丁寧に描いてくれていますので、難しい基礎知識はいりません。染み込むように美しいファンタジードラマが入ってきます。

読み専のかた向けには、エキゾチックファンタジー初心者の方にも、インド映画が好きな人にも、恋愛小説が好きな人にも、このお話、お勧めしたいです。

そして異世界をすでに描いている人や書きたい書き手さんには、ナーロッパ世界の地球儀の反対側にきっとある他文化の世界観を頭に入れておくのにすっごくいいと思うので読んでおくといいよ!と声を大にして言いたい。あなたの物語にさらなる奥行きが出てくると思うよ!

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