余命宣告されている私が知らない後輩に告白した後の話

そして自由を手に入れた

　季節が変わってしばらく経ったあと、一旦退院することが決まった。長かった病室での日々。思えば、恋人ができてからここまで大きなこともなく過ぎて良かった。

　せつ菜と過ごすうちに、せつ菜がいないときは今頃何してるのかなぁとか退院したらどんなリアクションで迎えてくれるかなとか考えるようになった。たしかに感じるようになったの高鳴りや不安。

　あぁ……これが恋をしているということかと思った。

ちょっとだけ自分にも感動していた。

「自由を手に入れたんだな……まずは学校、どうしたものかな」

　決めなきゃならないことはかなりある。せつ菜に話したいこともある。