家族との繋がり
ライズンイワシorサスライワシKKG所属
第1話 家族
あるニュースが飛び交った。※サスライのイワシより:()は読者への情報です。
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<◯✕NEWS>
〇〇県で、ある男子高校生が死亡しました。
(享年18歳。死亡日:5月15日12時43分。死亡理由としては、交通事故。)
5月14日の夜遅く勉強していた彼と友達は、横断歩道を青で渡っていました。
その時に、居眠り運転の車が信号無視して横断し、衝突しました。彼は友達と一緒にいたのですが、彼に助けられていずれも軽傷。その後、近くの病院に運ばれました。
(数時間くらいは意識があったが動けれる状態ではなかった。その後、意識不明になった。死亡前に、一度、目を覚まして家族や友達に言葉(遺言)を伝えた。)
その後、(5月15日12時43分)病院にて死亡が確認されました。
(若くして亡くなった。)
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こんなこと、日頃でニュースを見ている人は、たまに見るだろう。ひどいことをしたもんだ。そう思うだろう。
そう、このニュースの通り、高校生―俺は死んだ。
『……死んだはずなんだけどな(微笑)』
俺、桐谷直人(きりがやなおと)は、なぜか生きていた。
いや言い方を変えよう。僕は死んだが、幽体の状態生きている。
(俺自身としては、未練とかはあまりないし、幽霊になることはないんじゃないかな、だって親とか友達に最後の言葉を伝えたからな)
でもこうしているのは、何かしらがあるのだろう。
『さて、今の状況は―』
今は自室にいた。何の変哲もない。普通の男子高校生の部屋だ。強いて言うのであるならば、少し物が減っている。
窓からはいつも起きてみる景色が広がっている。
【スイ〜】
僕は何を思ったのだろう。体が勝手に動いていた。
―流れるままについていくと、リビングについた。
はっきりゆうのであれば、空気が重い。天気の境目があると思える。
そう、僕の家族がいるからだ。
僕の家族は父、母、姉、兄、妹からなり、僕は次男だった。
いつも明るい父さんと兄さん。
しっかりもので丁寧で。ちょっぴり抜けている母と姉さん。
賢いけど、甘えん坊な妹。
僕の家族を見ていると、あの時を思い出してしまい、泣けてくる。
『ぐっ、ゴメンよ、父さん、(ヒック)母さん、キラ姉、(ヒック)睦兄、(ヒック)穂野華(ヒック)。こんな終わりでごめんね...(ヒック)』
もう会えない、と思うと、涙は無限に溢れ出てくる。
――そうか、僕の未練は僕がいなくなったあとか。僕は僕が死んだあとに、みんなが前を向いて生きて欲しいのか。僕らしいな。
『こんな僕...親孝行も、手助けもあまりできず、助けてもらってばかりの僕だから、今度は僕がみんなを助けるね』
僕は家族の前で宣言した。みんなを前向きにできるようにする、と。
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おちつたら、できることを探した。
『僕にできることはなんだろう?』
この幽体の状態で、物を持つということはあまりできない気がする。そして誰かに見られる可能性もある。
(それよりも怖いのは、死神だ。見つからないようにしないと。)
この幽体の状態になったからこそわかることもある。【死神は危険だ】と。
『でも夜なら何でもできるような気がするんだよな〜』
幽霊と言ったら夜だろう。朝も行動はできるけど、大して力もない。
(となると、友達は一旦置いとかないといけないな)
まあまずは、手紙を書こう。それで前向きになれるのであれば!!
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
☆穂野華 視点
「え、お兄が事故にあった!?」
塾で勉強して帰ると、そう言われた。
「すぐ行くよね?」
「行く!」
心の支えであるお兄がいなくなると、心柱がなくなるようなもの。
その瞬間、友達とか勉強がどうでも良くなった。
いつもは賑やかに騒いでいる睦兄も、今日は真剣だ。人が変わったように違う。
家族総出で、病院に向かった。
病院では、兄さんが横たわっていた。
「お、お兄?」
返事がない。瞬間、心臓の動機が早くなった。呼吸も荒い。自分がどうなっているのかなんてわからない。今目の前には、横たわっているお兄しか見えず、背景が白になったいた。
「今は気を失っている状態ではありますが、生死の危うい状態です」
「え!?じゃあ直人はどうなるんですか?」
「こちらからははっきりとはいえません...」
「そんな...」
後ろで会話していた。それでも、
「ねえ、お兄。頭撫でてよ。ねえ、撫でてよ!!」
これしか言えなかった。目の前に横たわって、意識がないお兄にむかって、これしか言えなかった。
キラ姉も睦兄も、下を向いている。きっと、同じ気持ちだろう。
「おにいちゃん…おにいちゃん…」
泣き叫ぶにも、これしか言えない。胸の中から、何かがこぼれ落ちたような感覚に陥った。そして思った。
――お兄がいなくなる
反論したかった。でもできない。神は酷いから。運命とはひどいものだから。
「お兄...」
――・――・――・――・――・――・――・――・――・――・――・――・――
☆キララ 視点
「え!?直人が!?」
大学から帰ってきたあと、母からそう言われた。
まだ穂野華と睦が帰ってきていない。こんなこと聞いたら、2人はどう思うのか?
「ただいま〜」
睦の声がした。この場に似合わず、とても明るい。
「あれ、ここだけ雨降ってない?傘大丈夫?」
この空気を変えるためにしてくれたのであろうけど、それは意味なかった。
「……何かあったの?」
みんなが重い空気を放っているから、真剣なことだとわかったみたいだ。
母さんがつらそうに言う。
「直人がね、事故にあったらしいの」
「あ!?直人が!?今はどうなっているの!?」
「近くの病院に運ばれたみたいなの」
「おいおい、直人。嘘だと言ってくれ...」
私もそう言いたい。今すぐ病院に行きたい。
直人、死なないでね...
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☆睦 視点
「いや〜今日も良い日だったな!」
家へ帰っている途中に、そう思った。
「テニスサークルでは、連勝したし、前回書いた論文がとても良かったと先生が褒めてくれたし!今日は良い一日だな!」
鼻歌でも歌いながら、家についた。
「ただいま〜」
・・・ん?何か今日の家の空気、暗いな。よし、今日は特別良い日だから、空気を和ませよう!
「あれ、ここだけ雨降ってない?傘大丈夫?」
・・・返答がない?いつもはあるのに。本当に今日はどうしたんだ?
「……何かあったの?」
こんだけ空気思いと、真剣にしないといけない、そう思えた。
「直人がね、事故にあったらしいの」
・・・は!?嘘だろ!?
「あ!?直人が!?今はどうなっている!?」
「近くの病院に運ばれたみたいなの」
「おいおい、直人。嘘だと言ってくれ...」
今さっきまであったことが嘘のように消え去った。神様、こんな事があったなら、今日一日の良いことを無にしてくれ。お願いだ。
――・――・――・――・――・――・――・――・――・――・――・――・――
『よし!じゃあやってみるか!』
父さんや母さんが仕事に行き、姉さん達が学校に行っている間に実験を行おうとした。
フェーズ1:物を持てるか
まずは、紙を持ってみよう。紙が持てなかったらうまく字がかけないからな。
結果:普通に持てた←というか他のものも持てた
『いやいや、おかしすぎでしょ!?』
普通うまく持てなかったりするんじゃないの!?
と叫んでいたら、気付いた。
『そうか、ここが影になっているからか』
家はカーテンを閉めている。要するに暗くなっている。けど、それだけではわからない。次の実験に移ろうと思う。
フェーズ2:光に入れるか
幽霊と言えば、光が出ると入れないようになっているはずである。そう、あの鬼◯の刃の◯舞辻無惨のように!◯ん◯◯んの宇宙人のように!
結果:入れたが、ちょっとだけ脱力感がある
・・・。さあ、次に行こう!
フェーズ3:通り抜けたり、物を浮かせるか、取り憑けるか
これはちょっとした興味である。だって幽霊とかなんかすごそうじゃん!
結果:やれた
『もう何でもありだな!?』
ラストフェーズ:生きている人になれるか、生きている人に見えれるようにできるか、声を伝えられるか
これはちょっとした賭けである。これなら家族に話せたりできる。ただこれは家族が帰ってきて、誰かがいないと無理だから待たないといけない。
ちなみに食欲・睡眠欲・性欲はもう無い。幽霊だから。
「ただいま...」
お、穂野華が帰ってきた。ではやってみよう。
『穂野華、穂野華』
さて通じるか?
結果:声は通じた
「え!?お兄!?」
『あれ、通じた?』
「お兄!お兄!」
『ちなみに僕が見えたりは』
「どこにいるの?」
見えないか...気合を入れればいけるか?(根性論)
うおおおおおおおおおおおおおおおおお…………
「どこにいるの?」
『くそっ、だめか。穂野華』
「何?先に死んじゃったお兄?(怒)」
『す、すまん』
「すまん、では許されないよ。手の届かないところに行って(プンプン)」
『それはな、居眠りしていた車が友達に突っ込もうとしていたから、俺が助けようとしたからこうなっただけだ』
「それでも!こんなのはあんまりだよ...」
『……』
そうだ。僕は皆を残して死んでしまった。俺が残したものは計り知れない。
『でも俺が残したものを償うために、ここにいると思っている』
俺はそう思う。そんな使命を感じるのだ。
『こんなことだけど、俺が全員前に向かせられるように、そして、償いを受けるために、俺は動く』
「……お兄らしいね(笑)」
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
『さて、まずは…ねえ、穂野華』
「?なあに?」
『体貸して』
「・・・えっち!」
『なんで!?』
「どうせ私の体を使ってあんなことやこんな事をしようとしたでしょ!」
『シねえよ!』
「ふ〜ん、私どんなこととは言ってないんだけど?どんなことを想像したのかな〜?(笑)」
『どっか行くぞ?俺。今なら地獄にだって、いける気がする』
「お兄!?やめて!?」
と言いながら、穂野華がしがみつこうとするが、掴めない。
『なるほど...幽体のときは掴めないんだな』
「むううぅ〜」
妹を無視していたら、頬がはち切れそうなほど膨らましていた。
『ゴメンて』
「んで、何するの」
『急に戻すな...えっと、人の体について喋れないかと』
「そのまま居座っちゃだめだよ?お兄は変態なんだから」
『変態じゃねえ!!』
「へえ〜、ベットの裏」
『ウ”グッ』
なんで知っている!?
「お兄の部屋に行った時に探してみたの。そしたらほんとに出てきたの。確か題名は――」
『すみませんでした!!(土下座(できてる?))』
「「ただいま〜」」
「あ、キラ姉と、睦兄が帰ってきた」
「ん、穂野華?何やっているの?」
「えっとね・・・ボーっとしてた」
『無理あるぞ、それ』
「「!?」」
「So、空耳かな」
「SO、そうよね。きっと空耳だわ。きっと、いや絶対」
『いや、空耳ではないんだが』
「「・・・」」
「キラ姉、睦兄も聞こえる?」
「ほ、ほんとに直人なの?」
『そ、そうだけど?』
「・・・なんで死んじまったんだよ!!」
『ニュースの通り』
「だとしても!・・・いや、ごめん。いいすぎた」
『いや、そのとおりだから。こっちもゴメン』
そして今さっき穂野華に言っていた事を言う。
そして案の定
「私達はもう大丈夫よ」
「おう!寂しくはなるがな(笑)」
よかった。これで心残りが減ったよ。
『後は母さんと父さんなんだけど...』
「あ〜、ふたりとも夜勤なんだよな〜」
『じゃあ、二人にあってくるね』
そういうと、俺は二人がいる会社に行った。
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家族との繋がり ライズンイワシorサスライワシKKG所属 @komen114
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