積雪限界バトル
めいき~
やくそくされたむりげー
雪が綺麗だと思う方は豪雪地帯に住んだことがないとか、そういう地方に言ったことがない方だと思う。雪というのは積もって行けば重さはトンを軽く超え容易く全てを潰してしまう。
融雪壕がやたら折り返しなどで頑丈に作られているのはこの為で、側面の壁すらもよく見れば金属を折り返して強度を持たせているのが判る。基本的に昔の融雪壕の耐使用年数は十五年前後をどのメーカーでもうたっている訳だが頑丈過ぎて二十五年経ってもバリバリ溶かしてくれる様なものもある為余り耐使用年数が当てにならない。
昨今問題なのは燃料費の方で、電気、ガス、ガソリン、ボイラー、灯油と様々なタイプがあるが稼働の方にお金がかかるようになってしまった。融雪壕が無い家などはまとめて雪を捨てる場所が設けられ、そこまで軽トラなどで何往復もして雪を運ぶ訳だが軽トラにだって燃料費はかかる。融雪壕は車並の値段がするのでおいそれと設置できないのにだ。
毎年、屋根の雪を降ろしている最中に誰かしら人が無くなる事故が多発しているわけでガソリン税の上から消費税をかける憲法違反ともいうべき二重課税三重課税は明らかな人殺し政策と言ってもいいのではないだろうか。
おっとすまない、今回は雪の話だったね。そういった地面に埋めるタイプのものもあれば、台車の上にヒーターをのせたタイプもあり上に皿の様なものがあってそこに雪をのせると溶けて、くだから流れ落ちるような構造のものもあった。地面に埋めるタイプよりは安く買えるんだがいかんせん処理能力がいまいち。
子供が遊ぶようなプラスチックのソリでは重さで割れてしまう可能性がある。その為、金属製の塵取りのようなモノに0,5ミリ程薄くした金属をスポット溶接したモノを使う。しっかり塊になった雪は金属の刃でなければしっかりと雪に刺さらず、てこの原理で持ち上げようとして折れない強度が必要なのだ。
融雪にまつわるものは、常にこの強度と戦ってきたと言っていい。口さがないものはスコップでいいじゃないかと思う人もいるだろう。しかし、降る量が半端ないのだ。ほっておけば玄関があかなくなり、雪の重みで言えば潰れるみたいな事が本当にある地域においてスコップの処理能力では心もとないにも程がある。
昔は地中に埋めた配管などから出していた雪解け水を、水流としてさらに雪を溶かす様なものも出ている。昔は、この水を水道から取っていたりもしたのだが時代も省エネとして進化していく。
進化と言えば、旧式のボイラー式などは近くに引っ張り上げるタイプの煙突がついていて、それも随分重たかった記憶がある。車が乗っても大丈夫とかを売りにしているものは多分雪が乗ってもと言った所で雪国以外の人には「そんなの当たり前じゃん」位に思われてしまうからだろう。実際、豪雪地帯の雪というのは車なんぞよりも遥かに重たい。
後、モノを知らなければ理解不能なものとしては滑雪塗料(かっせつとりょう)というものがあるのはご存じだろうか。青っぽい色をしているものは、高速道路等で見かける事がギリギリあるぐらいか。こういったものを屋根に塗っておくだけでも、雪が着雪する事を軽減してくれるので降ろしやすくなる。昨今であれば、通販でも買えるので興味がある人は個々で覗いてみるといいと思う。
そもそも、車を発進させるだけでスリップしてドリフト状態になる様な地域で車に乗るのは大変怖い。しかし、車に乗らないと生活にならないのも確かなのだ。
雪国の人達は、シーズンが来る度に雪と戦っているのだろう。
観光客達はそこに住んでなどいないから、綺麗な雪のイメージばかりが先行するのだと思う。少量であれば、確かに雪は美しい。
また、ある地域では黒い雪が降ったりもした。故に、それらを知る人間にとっては必ずしも良いイメージ一辺倒ではないという事は留意すべきだと思う。
積雪限界バトル めいき~ @meikjy
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