切なく、優しく、そして悲しい

※読み合い企画からのレビューです

救国の英雄であるヴァリクを取材した新米記者ロベリアは、彼のあまりの素朴な人となりに驚く──という導入から始まる本作品は、ヴァリクのあまりに悲しい真実を下地に成り立っている
木訥な英雄ヴァリクには、まるで「可愛らしい白熊」のような魅力があり、ロベリアと共に読者も彼のことが好きになること請け合いだ
……だからこそ、その真実は、つらく、悲しい
この先の物語で、真実が、どのような過酷をヴァリクに強いるのか、胸が痛いながらも目が離せない