第2話 推しの配信が死んだ
「キャーーーーー!!ああ、推しがカッコ良すぎる…!はぁ、神だわ~……」
一人の女性が、PCの前で黄色い声援を上げていた。モニターにはアニメキャラのような姿の派手な格好をした男性が映っている。
彼女の名前は
琉美は大学卒業後、大手企業に就職したものの、社内でのモラハラパワハラついでにセクハラという
そんな彼女の趣味は大好きなバーチャルYoutuberを推す事。今日は久々の歌枠ということもあって、何時間も前からPCの前に待機していた。今見ているのは過去の歌枠の動画版である。
彼女の推す配信者『
現在は一部の熱狂的ファンが切り抜き動画を作ったり、過去の配信が編集されてアップされたものを見るのが、ファンたちの間では定番になっている。
そんなルーチェの歌枠配信…通称『
「ああ、配信開始まであと10分かぁ…!今まで残業だの部長の食事会だのに邪魔されて、生配信を見られるのなんて初めてだからなぁ~。き、緊張してきた…!」
琉美がルーチェの
当時から激務に次ぐ激務と、妙に気に入られている部長(48歳女性、独身)のアタックを受け、精神をすり減らしている中で、彼の歌声に出会った。
元からオタク気質な所はあったが、琉美は専ら文学少女であり、ゲームやアイドル歌手など、世間の流行りには疎い人間であったようだ、そう、ルーチェに出会うまでは。
彼の歌声を聞いた時、琉美は自分の魂が溶けて流れ落ちるような錯覚に襲われた。ダイエット中の女子が、数年振りに糖分たっぷりの甘~いショートケーキを口にしたかのような感覚で、彼女は感激の余り、自室でわんわんと涙を流して泣いたものだ。
それを見ていた家族はドン引きして、以来、腫れ物に触るような扱いを受けている。
とはいえ、琉美はそれでも構わない。どうせ、家族仲はあまり良くなかった方だ。無職になっても家を追い出されないだけ、温情のある家族と言ってもいいだろう。
「ああ、もうすぐルーチェ様のお声が…!」
既に画面は配信直前の準備画面になっていた。画面横にはチャット欄があって、配信を今か今かと待ち構える
配信までのカウントダウンが刻一刻と迫る中、それは起こった。ドンッ!という大きな音と共に、家中の電気が落ちたのだ。
「きゃあっ!?う、嘘でしょ?停電!?こんな時にーーーっ!」
だが、そこで琉美は気付いた。停電だというのに、何故かPCのモニターだけは煌々と明るく光を放っているではないか。
「な、なにこれ…?!どうなってるの!?」
モニター上の配信画面では、猛烈なスピードで文字化けをしたチャットが流れ始め、カウントダウンは残り時間が
そして画面一杯に、真っ赤な色をしたトカゲのような何かが映し出されていた。
次の更新予定
神に反逆した元天使。力を取り戻す為に、電脳世界でバーチャル天使として神になります! 世界 @weekendactor
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。神に反逆した元天使。力を取り戻す為に、電脳世界でバーチャル天使として神になります!の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます