第3話 これからの旅 ~自分を受け入れる~

失敗を恐れ、罪悪感に苦しむ日々の中で、私は自分自身に問いかけるようになった。「できることや成功でしか、自分の価値を証明できないのだろうか?」と。そして、その答えを見つけるための旅が始まった。


振り返れば、私はずっと「自分に価値がない」と感じるたびに、何かを証明しようと躍起になっていた。できることを示し、他人の期待に応えることでしか、自分の存在意義を感じられなかった。しかし、いくら努力しても満たされることはなく、失敗すればその不安が倍増する。そんな悪循環に気づいたとき、私は立ち止まる必要があると感じた。


ある日、カウンセリングでこんな言葉をかけられた。「あなたがそこにいるだけで、価値があるんですよ」。その瞬間、目の前の景色が少し変わった気がした。できることや成果は、自分の価値のほんの一部でしかない。むしろ、自分という存在そのものに価値があるのだと、少しずつ思えるようになった。


それから私は、小さな練習を始めた。自分を否定しそうになるたびに、「失敗しても、私はここにいる。それだけで十分だ」と言い聞かせる。日記に自分を褒める言葉を書いたり、「できなかったこと」よりも「やってみたこと」に目を向けるよう努めた。例えば、「今日は作業が遅れたけれど、最後までやりきった」とか、「挑戦した自分を認めよう」といった具合だ。


未来に向けた旅は、きっと終わりがない。でも、それでいいと思えるようになった。失敗や罪悪感は完全に消えるわけではないが、それと共存しながら、自分を受け入れる日々を積み重ねることが、私にとっての新しい生き方だ。


私は今、自分のペースで進むことを大切にしている。たとえ少しずつでも、自分を大切にする方法を学び、心の重荷を手放していく。これまでの道のりは決して楽ではなかったけれど、それでも今の私は少し軽やかだ。


最後に、同じような感情を抱える誰かに伝えたい。失敗しても、自分を責めすぎないでほしい。あなたの価値は、何かを達成したかどうかではなく、そこに存在していることそのものにある。私も、あなたも、それぞれの旅の途中。だからこそ、一緒に進んでいける。少しずつでも、歩んでいこう。


この旅は、終わらないけれど、それでいい。それが、私たちが生きていく証だから。

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心の傷とともに生きる ~罪悪感、失敗、不安に向き合う旅~ 星咲 紗和(ほしざき さわ) @bosanezaki92

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