現代おトぎ

　この物語はあなたが風邪のときに見ている悪夢を百分の一スケールで再現し、それを顕微鏡で眺め、眺めながらさらに百倍速することで得られるわけのわからない光景、これをさらに百分の一倍速にして、百倍にスケールアップさせる工程を経ることでできあがる、つまりただ風のときに見ている悪夢を見るということなんです。
　ここまでを読んで、じゃあ最初の工程はなんだったのか、なんでこんなだらだらしたものを読まされなければならなかったのか、はなはだ疑問でしょう。安心してください、私もわからない。正直ここまで読んでくれた時点で、あなたは素晴らしい人間でしょう。まったくだれも意味の分からないものを懸命に想像しようとした誇るべきお人よし。ただ同時に、すこし頑固な一面もあり、それが原因で他者と軋轢を生んでしまうこともしばしば…続きを読む