第19話

二人きりになった部屋。


俺を離さない新庄さんの目に


居た堪れなくなってくる。


「すみません、俺、、、こんな姿もう見せたくなかったのに、、、すみません。俺、、、元から綺麗じゃないし、Ωだし、、、こんな事言える立場でもないのに、、、俺を、、、嫌いにならないでください。

、、、俺、新庄さんに嫌われたら生きていけません。お願いします。まだ側に居させて下さい。仕事頑張ります。掃除も家事も俺がやります。役に立ちたいんです。お願いします。お願いします。」と新庄さんに頭を下げてお願いする。土下座しても、もう側に置いてくれないかもしれない。それでも、頭を下げるしか

俺には思いつかない。



「顔上げろ。」と新庄さんの優しい声が上から聞こえる。


ゆっくりと顔を上げてみる。

そこには、

少し困ったように笑った新庄さんがいて、

俺の頭をワシャワシャと撫でた。


「皆川、お前の#此処に__心に__#刻んどけ、どんなお前を見ても嫌いになんてならない。分かったか。」

新庄さんは俺と目線を合わせるように

片膝をついて俺の心に人差し指を向け

ながら問いかける。


俺はその言葉にまた、泣きそうになるのを

グッと堪えた。


「返事は?」と聞かれ、


「、、、はぃ。」と答えるのがいっぱいいっぱいだった。



その後、新庄さんは俺の身体を気遣いながら、今日はこのまま帰った方がいいと言って家の鍵を渡される。俺は、新庄さんの優しさに甘えて早々に帰ることにした。



家に着くとドッと疲れが襲って力が抜ける。


ソファ○に倒れ込んで、大きなため息をついた。


「俺、新庄さんに迷惑かけてばっかりだ。

、、、でも、だからこそ明日から頑張るぞ!」

と言葉が部屋に響いて消える。


そういえば、此処って新庄さんの家なんだよな、、、


このソファ、新庄さんの匂いがする。

当たり前だけど、、、

なんか、安らぐんだよなこの匂い。


ヒートを起こした身体は限界を迎えていて、

そのまま目が閉じて眠りにつく。

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BL可哀想なΩ俺が喰ってしまいたい。 @reireina39

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