サイレント・ナイト

転生新語

サイレント・ナイト

 ラフカディオ・ハーンは日本にほん小泉こいずみ八雲やくも名乗なのり、怪談かいだんなどいた。そのかれ生前せいぜんこのんでいたいしぎつねまつった神社じんじゃがある。


 いしぎつね老朽化ろうきゅうかのため、いま二代目にだいめいし狐像ぎつねぞうかれているが。私は初代しょだいいしぎつねぞうゆきたことがある。


 周囲しゅうい人間にんげんは私しかいない、しずけさにちた空間くうかんがあった。きっと八雲やくもいしぎつねこえいたのだろう。あの、私のみみにもいしぎつねこえとどいた。




綺麗きれいゆきだねー。出会であったのことをおもすなぁ」


そとはなしかけないで。私が一人ひとり会話かいわをしてるとおもわれるじゃないの」


「いいじゃん、べつにー。いま周囲しゅういだれもいないよー」


 田舎いなか夜道よみちとなり彼女かのじょあるく。ゆきはじめた静謐せいひつ空間くうかんがあった。


 八雲やくも内面ないめん世界せかいゆたかで、にぎやかだったのだろう。神社じんじゃまつられることにきて、石像せきぞうなかからて、あのから私になついてきた彼女かのじょるとそうおもう。


 結婚けっこんもせず、私以外いがいにはえない彼女かのじょきてきた。どうられようとかまわないが、けっして私は不幸ふこうではない。

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