茶髪のホムンクルス

「……? ハッピー、メリー、クリスマス」


「クッキー。キャンディー。チョコレート。他にもたくさんの、たくさんの、お菓子」


「私はまだ、あなたの好みがわかりません。あなたに、私の好みを押し付ける事も出来ません。だから、好きも嫌いも一緒くたに、纏めていっぱい差し上げました。好きな物、嫌いな物、選んでたくさん食べて下さい」


「だけど……もし、もし気に入って頂けたなら、全部食べて頂けたら、嬉しいです。あなたの好みも好きも嫌いも理解し切れてないだろうけど、その袋の中が、あなたの好きでいっぱいであるようにと願って詰めたから……みんな、美味しいって食べてくれたら、嬉しいです」


「でも、やはり心配です。私は、災禍を倒すため生み出されたホムンクルス。得意分野も専門分野も使役する魔術も戦闘特化。そんな私が、どうして他者の好き嫌いなどわかりましょうか。やはり、自信がありません……嫌いな物ばかり、と言う事もないでしょうが……大半が嫌い、という状況も……」


「貰えるだけ、嬉しいと? 私からのプレゼントならば、貰えるだけでも、嬉しいと、言ってくれるのですか? ……ありがとうございます。メリークリスマス。愛するあなたに、神の子からの寵愛が、齎されん事を」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ホムンクルス達のプレゼント計画by外道魔術師の花嫁創造計画 七四六明 @mumei

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ