ネタバレ感満載のゲーム世界へと転生した俺、楽に攻略しながら異世界生活を謳歌する
微風
第1話 勇者エムロの大冒険
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【勇者エムロの大冒険】
▶︎New Game
Continue
Option
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よし、やっとプレイ出来るぜ。
前からSNSで密かに話題になっていた出荷本数が少ない幻のRPGゲーム。
あまりメジャーではないが、めちゃくちゃ面白いってことでゲーム好きなオタク界隈では比較的有名なのだ。
ぶっちゃけ何が面白いか詳細は知らないのだが、ゲーマー達が口を揃えて面白いと言うには、それなりの理由があるのだろう。
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【勇者エムロの大冒険】
New Game
Continue
▶︎Option
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「初めてだからオプションでも開いてみるか」
音量、明るさ、SE音、色々と項目があるけど、ここら辺はデフォルト設定でいいだろう。
……ん、なんだこれ?
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【ネタバレ設定】
ON
▶︎OFF
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ネタバレって先の展開が読めるとか何とかってことだよな。
まあよく分からないが、これは
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【勇者エムロの大冒険〜異世界からの転生者エムロは王城に召喚されて、極悪な皇帝の裏切りを暴いたり、ヒロイン達の重たい愛を受け取りハーレムと化しながらも、日々弛まぬ努力を続けて魔王討伐を目指す壮大な物語〜】
▶︎New Game(押したらもう逃げられません)
Continue
Option
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起動した時と比較して色々と変化した気もするが……!
てか極悪な皇帝って何だよ!
城の王様が実は悪い奴だった展開がもうここで分かっちゃってるパターンなのか?
ハーレム状態は嬉しいけど2Dゲームだからリアル感ないし、微妙かな。
ゲームの表紙になってる王女っぽい女の子は美人さんだけどね。
で、最終的には魔王を討伐してハッピーエンドみたいな展開で終わる訳だ。
New Gameの隣に括弧書きで補足されてる文言が多少気にはなるけど……。
とりあえず、ニューゲームを選択して新たな冒険を始めてみよう。
『テッテレ〜〜』
New Gameを選択すると、すぐに軽快なSE音と共にプロローグ画面へと移行した。
その反面、重苦しいダークなBGMが流れると同時に上から下へとテロップが流れてきた。
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〜プロローグ〜
この世界は凶悪な魔王に侵略され始めている。我々には敵の脅威に屈しない強力な勇者、即ち、君の力が必要となってしまったのだ。異世界から召喚されし勇者エムロよ。今こそ我らと共に悪を殲滅し、世に再び平和をもたらそうぞ!
(尚、このセリフは悪逆皇帝の演技となっております)
我ら一同、勇者の降臨を待つ。
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——
……初っ端からネタばれ感満載だな。
とにかく先に進めてみようか。
ここで画面上に選択肢が現れた。
——
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【転移しますか? 十秒以内に選択して下さい】
YES
▶︎NO
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——
俺は何回かNOを選択してみた。
『ポチ、ポチ、ポチ……』
何だこれ反応しない!
壊れてんのか?
NOが選択出来ないじゃんか!
……残念ながらNOは透明になっていて選べず、既に選択の余地はなかった。
時間制限すらもかけられてトイレに行く時間すらも与えてもらえず、嫌な予感がしながらも仕方がなく、YESを選んだ。
その直後、金縛りに遭ったかの如く身動きが取れなくなり、画面に吸い込まれてしまった。
「うわぁぁぁ〜〜!!」
意識ははっきりとあるが、狂ったように空間が回り始め、何処かへと無理やり引き摺り込まれていく。
自宅の雰囲気から一変、全く別の空間に連れてこられたってことはすぐに理解できた。
何やら騒々しくもワザとらしい声が聞こえる。
『はぁぁぁぁぁあ!! 勇者、召喚!!』
……変な雄叫びを上げながらも召喚を終えたっぽく、召喚士のかけ声が止まった。
『こ、これは?! 成功したのか?』
『ええ、陛下。無事に異世界からの召喚に成功した模様でございます』
状況とタイミングからして間違いなくプレイしていたゲーム世界へと召喚され、現実世界から転移してきたのだろう。
まさか勇者エムロの大冒険にこんな機能があったとは驚きだ。
視界のモヤが晴れていき、徐々に辺りの景色が鮮明になっていく。
キラキラとしたどデカい玉座に腰を下ろし、明らかに王様風の人間が偉そうな態度で居座っている様子が伺える。
『我が名はウラギール・ゼイ・ソノーウチ。勇者殿、よく参られたのぉ、フォッフォッフォッ』
……ちょっとタンマ。
名前名前名前!
ネタバレとかそういうレベルを遥かに凌駕して突き抜けてるじゃんか!
自分の悪事とか隠す気一切ないだろお前!!
とりあえず直訳してもいいかな。
裏切られる前提でコイツに従わなきゃならんとは酷いゲームだなぁこりゃ。
……ああ、異世界転移して早々に先が思いやられるぜ。
だが今のこの状況、顔が悪役っぽいってだけで今は証拠も何もないからな。
実際に悪事を働いたところを目撃した訳でもないし、現時点では手出しすることが出来ない。
それに先ずは自分が何者であり、どんな能力を持ち得ているのかを確かめる必要だってあるだろう。
RPGゲームは今までも散々プレイしてきたから慣れてはいるので、進行自体に問題はないはずだ。
『勇者エムロよ。どうか我らの国のため、大陸の脅威となる魔王、ジーツー・ハ・イイヤーツの討伐に協力してはくれぬか?』
「イェス、マジェスティ。お任せ下さいウラギール陛下」
『フォッフォッフォッ。お主の活躍、期待しておるぞ!!』
実にくだらなそうな異世界生活が幕を開けた。
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