デブ活のパイオニア早川次郎
たたみや
第1話
俺の名前は早川次郎、大学生だ。
自分で言うのもんなんだが、デブ活のパイオニアだ。
今まで細い体がコンプレックスの太れなかった友達を何人も太らせてきた実績がある。
そんな俺にはデブへ誘う勝利の方程式がある。
そう、七味マヨだ。
適度な辛さと酸味が食欲を増進させ、七味マヨのカロリーそのものでも太ることが出来るという二段構えだ。
揚げ物に七味マヨ、チャーハンに七味マヨ、フライドポテトや焼きイカに七味マヨ。
そして俺は新たるデブ活の扉を開くため、ある人体実験を行うことを決めた。
当然被験者は俺自身。
その名も、『一週間七味マヨを肌身離さず生活』だ。
全ての食事に七味マヨを使う。あわよくば間食にすら使う。
自分を徹底的に七味マヨで追い込んでいくスタイルだ。
1日目。シンプルに七味マヨ丼からスタートした。
ザ・背徳飯。
これがスタートということは、その後の過酷さも分かって頂けることだろう。
2日目。卵かけご飯に七味マヨをかける。
新たなるTKGの可能性に出会えた気がした。
3日目。鮭のホイル焼きにガツンと七味マヨをぶっ放す。
七味マヨは海の幸とも相性がいいことを忘れてはならない。
4日目。フードコートでマックのバーガーに七味マヨ。
ハンバーガーに七味マヨが合わないわけがない。
5日目。家で焼いた餃子に七味マヨをかける。
餃子のたれと七味マヨの酸味が意外とマッチしているではないか。
餃子の新しい世界を見た気がする。
6日目。グラタンに七味マヨ。
もしグラタンにコクが欲しい人は、オーブンでグラタンを焼く前にマヨネーズをかけてみて欲しい。
それだけでもコクが出るが、今回は七味マヨ。
コクも辛さも担保された素晴らしい味だ。
焼きあがった後も当然追い七味マヨだ。
上手いに決まってるじゃないか。
7日目。家で作るラーメンに七味マヨをトッピング。
トッピングの野菜、ニンニク、肉厚チャーシューに合わないわけがない。
俺はカロリーの海に溺れていったさ。
これを食べて、すぐ眠くなって、大いびきをかいて、無呼吸症候群の症状にうなされた。
そしてもう一つ。
俺には一世一代のイベントがある。
そう、同じサークルの瞳ちゃんに告白することだ。
デブ活と彼女ゲットの両立!
これこそが俺のデブ活の更なる扉を開くことにつながるのだ!
告白の結果、帰ってきた言葉は「ごめんなさい」。
分かってたよ。体重120kgの巨漢がモテるわけねえってさ。
デブがデブ活で体仕上げてきてもただのデブだってさ。
悔しいし悲しい、それにお腹が減って来た。
あーあ、今日は総菜の唐揚げ買って七味マヨでもつけて食べるかあ。
デブ活のパイオニア早川次郎 たたみや @tatamiya77
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