第5話
とある災害から10年後
彼は町田の風俗街にいた。人生の浮き沈みが激しい紆余曲折な道のりを歩いてきて、彼が求めたものは女性だった。
「コースは?何分です?」
無愛想な店員が接客のような形をとってオプションについて聞いてくる。だがそんなことはどうでもよかった。
彼女に会えれば、それでよかった。
会計を済ませ、時間を待った。
ただただ、時間をまった。
「15番様。こちらの部屋へどうぞ」
ひとりひとり個室に入り、手で用をすませる。それがこの店の形態だ。
彼はまった、ただただ待った。
そして、ドアが開いた。
「お待たせ〜。!!!」
彼女は少し驚いた様子だった。
「お兄さん。この前も来てたよね。」
彼は答えた
「うん。そうだよ。この前のお兄さんだよ…おかしい?」
「おかしくはないけど、こんなに間隔を空けずにくるのは初めてだよ。しかも同じ部屋だし。」
「何かあったの?」
「仕事を辞めまして」
「じゃああとで話聞かせて」
すると彼女は服を脱ぎながら綺麗な足をお尻を向けながら跨がせた。そして彼の精器をつかみローションをたらせた。
掴んだ手をゆっくり上下動させた。
「単純接触効果って知ってる?会えば会うほど好きになるんだよ」
そんな事を話した。そして彼女は言った。「私と一緒にずっといてくれるの?」
彼は答えなかった。
そして、彼は射精した。
「いっぱい出た。ずっと貯めてたんでしょ。」
「貯めてはいないよ。」
そういうと、彼女はほっぺを膨らませ。
「ぶー」
と言った。
彼は申し訳なさそうに
「こんな情けないところを見せて申し訳ない」
と言うと
「のあが優しいのはね、お兄さんが優しいからだよ!」
そう言った。彼女の名前はのあという。
「時間だね。」
そう言うと、玄関までついていき、最後に唇にキスをした。そしてのあは右手拳を握り締め
「頑張ってね」
と言って彼を励ました。
彼は何か救われた気持ちだった。
そしてその後の彼はのあの言う通り頑張った。
就労移行支援にという就労支援施設に通い、来年就活というところまで回復している。彼は松橋龍太の人生はどんな結末が待っているかはしらない。
ただ、楽しかったことなどない人生ではなかったようだ。
彼は彼なりに人生を生きていくだろう。
楽しかったことなど 松橋龍太 @boi2480
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