第5話
モブおじは、
それでも何とか神殿を抜け、建物の外に出られた時、少し離れた小高い丘の上にセシリー達の姿を見る事が出来た。
どうやら、
「モブおじ~。何やってるのよ。さっさとこっちに来なさいよ、危ないでしょう?」
「これでも
「飛べば良いでしょう?」
「あっ!」
それは、
「助かったか〜」
モブおじが、彼女達と合流し、
ゴゴゴゴゴーッという腹底に響き渡る
モブおじが振り向くと、後方で大規模な
「気に
「そうは、言われても……」
「これは、
「そうは言われてもな……」
モブおじの表情は、晴れる事はなかった
「モブおじさん、大丈夫ですか?」
ソフィアが
「そっちこそ大丈夫なのか?」
「ええ。いつもの事です。少し休んでいればそのうち――。あっ、その顔の傷っ!
「ああ、これか……」
モブおじの顔には、四本の
「ち、違うんです、それは私が……」
ソフィアの言葉に反応し、モブおじに救われた少女の一人が声を掛けて来た。
「あの時は、助けて
「?」
状況を理解出来ず、小首を
「でも、それは、
「どういう事です?」
「だからね。モブおじが、この子を助ける為に
「く、口から?」
「そう。要は、あの
「ちょっと、モブおじさん。こっちに来て
「あん?」
ソフィアの後に付いて歩き、皆から離れた場所に呼び出されるモブおじ。
「キス……。したんですか?」
「は? いや、キスというか……。その……、じ、人工呼吸みたいなもんだよ。人工呼吸。ほら、救助活動ってやつ」
少し目が泳いでいるモブおじに対し、ソフィアが更なる圧を掛ける。
「私が弱っている時にはしてくれなかったのに? 貴方は、私のものなのに?」
カチッ。
モブおじの首に再び
「あれ、首輪……。あれ、目から光が消えてますよ、ソフィアさん? あれ? あれ? ちょっと、怖い、怖過ぎ! 落ち着いて、ソフィアさ――、痛ダダダダダダーーーッ!」
「ちょっと、何やってるの! ソフィアさん? やり過ぎ、やり過ぎだって! それ以上、モブおじの首輪を
「手に入らないのなら、それでも……」
「あーーーっ!」
スポーーーン!
軽やかな音と共にモブおじの首が
「ああーーーっ! 俺、死んだーーーっ!」
「ごめんなさい! 私、何て事をっ! 私っ、私っ!」
「
「じゃぁ、早く首を――」
三人の
彼らの冒険は、始まったばかりである。
小悪魔の護り手 ~小悪魔に転生した冴えないモブおじさん、異世界で少女を救う~ 善江隆仁 @luckybay
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