第2話
2120年
晩秋の夕暮れ時の事である。営業で顧客の顔色をうかがっているのに疲れた男が、久しぶりに有給を取り、焼津の海岸で海釣りを一人で楽しんでいた。昨日の大雨のせいか、その日は遠くに浮かんでいる船までよくわかるくらい景色がよく見えた。釣り竿を垂らしながら、朝からあまり魚にはお目にかかれずにいて、そろそろ一人暮らしのマンションに帰ろうかと思っていた。何も考えずに、釣りをするのは、日常の仕事を忘れられて、良い気分転換になると思い、有給を取るたびに同じ場所で釣り糸を垂らしていたが、いつも決まって営業の時の嫌なことばかりを思い出してしまっていた。
「仕事のことを考えるんじゃあ、わざわざ釣りに来てもつまらないよな」
そう、独り言をいいながら、餌を付け替えて、釣り糸を垂らした。
いつの間にか、夕方5時を過ぎたのだろう、「夕焼け小焼け」のメロディーが遠くから聞こえて来た。田舎らしい光景である。
夕陽がとても奇麗で、水面が赤く光り輝き、海に浮かぶゴミも何もかもが赤く輝いている。
ボラだろうか、遠くに魚が飛び上がるのが見えた。その時、浮きが水面を微かに揺らすリズムが今までと違う事に気付いた。遠くの美しい景色に気を取られて、いつからそこに有るのかは定かではない。それは、コンビニ袋のようなもので、ビニール袋から新聞紙が透けて見えていた。ちょうど、バレーボールのような大きさで、持っていた網にぎりぎり入るような大きさだった。興味本位で、その袋を拾い上げる事にしたが、予想に反して片手では持ち上げられないような重さだった。
偶然、近くを自転車で通り過ぎようとした。
地元の男が、
「大物ですか?手伝いましょうか」と気さくに声をかけてくれた。
ようやく岸辺に二人で引き上げたと思った途端に、男が奇声をあげた。
「ぎゃー、何だこりゃ」
叫ぶなり、尻餅をついた。
不規則に赤く染まった髪の毛らしきものがビニール袋から透けて見える。
「こりゃー大変な事になるぞ。悪いけど、関わりたくないからさー」言いながら男は一目散に逃げて行った。慌てふためく自転車は、蛇行しながら遠ざかって行った。
そんなわけで、やむを得ず男は警察に電話し、当然の事ながら、事件に巻き込まれた。
「どうして一人で釣りなんかしていたんだ?今日は休日ではないだろうに」「ほとけさん、お宅と知り合いなんじゃないの?恋敵とか仕事のライバルとか・・人間、殺したいヤツの一人や二人いるもんなあ」
警察はいろいろと事務的、懐疑的に質問を投げかけてきた。
「第一発見者を疑えっていうだろう?」
と意味深に見つめられ、とても帰してもらえないと、男が腹をくくったころ、「鑑識の結果が出ました!」という助け舟が入った。
さんざん疑われたが、鑑識の結果、被害者とも自分とも違う人物の毛髪が見つかり、事件と関係ないことがわかってもらえた。見つかったヒトの首から上の遺体は、身寄りのない30代の男性であることがわかった。
捜査当初は、頻発する移植用臓器の売買を目的に行われた犯罪で、不必要になった頭の部分のみ遺棄されたものと思われた。しかし、検死の結果は意外なものであった。驚いた事に、遺体の切り口は鋭利な刃物で切り取られており、その上、脳から出ている神経や血管を丁寧に分離され、まるで病理解剖が行われたかのようであった。遺体の状態から、物取りや恨みによる殺人とは考えられず、専門知識のある人間による犯行と考えられた。しかも、何らかの生体実験が試されたのではないか、という方向で捜査は進んで行った。
村瀬孝明は、休みの日には、近所のそば屋で昼食を済まし、月に一度はそば屋の隣の床屋に行くことを習慣にしていた。床屋で店主と社会問題や政治問題の話をするのが楽しみでもあった。
三鷹のメインストリートから1本入った小道にある床屋の前は、人通りは少なく、小学生が自転車を飛ばして塾に急いでいた。
「最近は物騒な事件が多いですね。秋葉原の無差別殺傷事件なんて、犯人は死刑になりたいから犯行を考えたらしいですよ」
死刑になりたいなら、他人に迷惑をかけないで自殺をするものだろう、という考えに同意を求めた。もちろん、自殺を勧める訳ではないが、それすら出来なくて、自分の運命を他人に委ねる若者が多くなってしまったと、床屋と嘆くとき、孝明は自分が年を重ねたことを実感した。
日本の教育は明らかに間違っている。特に、東京のような都会では深刻だ。小学校に上がる前から勉強、勉強で大学に入ったら遊び、勉強する間もなく就職活動、多くは大学の勉強とは関連のない職に付く。子供には幼い頃から塾通いをさせるために、子供の教育にはお金がかかるし、子供を何人も生もうと言う発想は無い。教育改革や少子化対策が、経済対策よりも先に必要だろう。実現に時間がかかる事だから。
「高齢者介護や高齢者の徘徊が問題になっていますけど、早急に少子化対策をしないと益々状況は悪くなりますよね」
結局、政治家は自分の次の選挙での当選が最大かつ唯一の興味だ、議会制民主主義では何も変えられない、中国やロシアのような独裁国家にはかなわないんだ、日本に必要なのは期間限定の独裁政治だ、などという結論に達するのがいつもの床屋会議だ。自己満足会議にほのかな喜びを覚え、家路につく。商店街の和菓子屋の前を通ると、いつものように、「ガチャンガチャン」とたい焼きの鋳型の金属がぶつかり合う音とともに、たい焼きの香ばしいにおいがした。匂いと音に誘われ、たい焼きを三つ買って帰る。
孝明が家に戻ると妻は買い物に出かけていて、一人息子の博樹は自宅の居間でブツブツ言いながら生物の勉強をしていた。博樹は、子供の頃から本が好きで将来は小説家になりたいと思っていた。だが、高校に入ってから、警視庁科学捜査班に属す父の影響か、突然理系に行くと言い始めた。「RNAにはメッセンジャーRNA,トランスファーRNA,リボゾーマルRNAがあるんだ?なんだか、目に見えない物って実感わかないなあ」
孝明が、薄くなりかけた髪を、床屋で上手に整えてもらい、満足気に鏡を見ていると、いつの間にか博樹が背後から話しかけて来た。
「目に見えない物が存在することは、実験や観測で得られたデータを論理的な思考を組み立てることで、実感できるようになるんだよ。博樹にもそのうちわかるようになるさ。「星の王子さま」の中に「大切なものは目に見えない」って一説があるだろ、あれは真理かもしれないな。この世で最も大切なものは、目には見えないものなんだろうな、きっと。」
孝明は鏡の前から何気ない顔で離れ、威厳を保って、リビングのソファーに座って、新聞を広げた。
その頃、頭だけの死体や、頭のない死体が海や川、人里離れた山林などで見つかる事件が頻発し、孝明はその科学捜査に頭を悩ましていた。「“こころ“は目に見えないよな」何気なく、独り言をつぶやいた。「お父さん、”こころ“は心臓に有るの?頭に有るの?”心から“とかいいながら、みんな胸に手を当てるよね」 「もちろん、“こころ“は脳の神経細胞の活動が作り出すものと考えられているよ。宗教では違うかもしれないけどね」
確かに、この事件は“こころ”と関係があるかもしれないと、直感した。
医学の進歩は凄まじく、とうとう自分の細胞から自分の組織や臓器が作れるようになった。京都大学の山中伸哉教授が、「成熟細胞が初期化され多能性をもつことの発見」でノーベル賞を受賞してから、いわゆるiPS細胞研究が進み、お金さえかければ、自分の細胞からあらゆる組織、臓器を作る事が出来るようになった。神経細胞でさえも作る事ができるが、“こころ“を持った脳を完全に複製する事は現時点では出来ない。臓器移植、臓器再生、アンチエージングなど人間は自分の肉体の維持や若返りに興味を持ち、お金をかけ、国を挙げての産業にまで発展した。要するに、肉体を不死にする方法ばかりが精力的に研究され、肉体至上主義とも言える状態が続いた。しかし、考えてみると、精神と肉体とどちらが自分自身なのかという疑問がわいてくる。
孝明は、医者の息子で、僧侶のひ孫で親戚には僧侶と医者が多いという環境で育った。そのためか、子供の頃から死に対する恐怖を同年代の友達よりもいち早く感じていたのかも知れない。小学校2年生の時に、一緒に暮らしていた祖母が亡くなった。その時、病室に家族や親戚が呼ばれ、最期のお別れをするように言われたのを深く記憶している。
「お婆ちゃんはどうなっちゃうの?」「どうして、みんなでお別れするの?」
姉が聞いた。
「天国に行っちゃう前にみんなの顔を覚えておいて欲しいからだよ」
母がそんな説明をしたことが、妙に印象に残っていた。
これがきっかけだろうか、今までは考えもしなかった事を考えるようになった。
「いつか、僕も死ぬんだ。死んだらどうなるんだろう?」という疑問を持ち、悲しくて泣いて母親に聞いたことが有る。
「そんなことを考えると早く死んじゃうから、考えるのはやめな。考えてもしょうがないから」と母らしい返事だった。
もちろん、孝明の疑問の回答にはなっていないが、幼なかった孝明は、しっくりしないものの一応納得し、それ以降はなるべく考えないようにした。しかし、ふとした瞬間にこの時の気持ちが蘇るが、幼少時に感じた気持ちの記憶は大切にしたいと思っていた。
「読書の好きな奴らの文章は、過去に読んだ文章表現を切りはりして、結局は真似ていてオリジナリティーがないのではないか」とか、「他人の書いた本は、自分の自由な考えに影響するから、なるべく読まないようにしよう」と思い、子供の頃から教科書、参考書など必要最小限の本以外は極力読まないようにしていた。また、「死んで別れる時が必ず来て辛いから、他人とあまり仲良くしないようにしよう」という屈折した考えを持っていたため、読書はしないし、友だちつき合いは非常に悪かった。だから、精神と肉体のどちらが自分かという事を幼い頃から考え、「肉体は死んでしまえばおしまいだから、精神こそが自分自身だ」と思っていた。そのせいか、自分の身なり、容姿、ファッションには全く興味なく、食べたいものを食べ、痩せたいとも肉体を鍛えたいとも思わなかった。世間でトレンドであった「肉体至上主義」とは対照的な「精神至上主義」を貫き、いわば、世間ずれした存在だった。
遺体の遺棄を委託された若者から足がつき、犯人が逮捕された。
犯人は、有名な脳神経外科医と孝明の同級生の工学博士を含む6名のグループだった。彼等は自分たちの理論による、大切な人に永遠の命を与える方法を実践していた。彼らは、「永遠の命」という新興宗教を仮の姿として、信者を集めていた。家族と連絡していない、天涯孤独な人間を集めようと、東京都内の公園を中心にホームレスを勧誘した。
彼らの考えでは、「こころ」は人間の脳の神経的な活動自体であり、それ以上でもそれ以下でもない。人間の心を機械に転移する、mind transferと言う技術を開発していた。対象者は、本人同意の上で作業前後の短期記憶は消去し、様々な刺激に対する脳の活動をコンピュータ上に記録する。その後、脳外科医が丁寧に首から上と胴体を切り離す。切り離した脳は、脳の血管を使って脳の血流を維持し、特殊な培養液で脳の機能を維持しながら神経線維、神経回路が解析され3次元構造の神経回路(TM装置)として再現される。完全に再現された事を確認し、脳は役目を終え、廃棄される。その後、iPodとパソコンを同期するように、コンピュータ上の脳の活動記録とTM装置を同期した。これ以降は、TM装置内にドナーの「こころ」が存在する事になる。これらの実験ですでに15名が犠牲になり、実験で使い終わった遺体が遺棄されたのだった。
しかし、mind transferで永遠の心、永遠の命が与えられるためには、大きな代償を払う事になる。それは、生きている自分の肉体を捨てると言う事である。肉体至上主義の蔓延する2000年代初期には難しい選択であった。特に、記憶や会話などが充分にできる段階でmind transferをしなければ永遠に命があっても意味が無いため、肉体に全く問題がない状態でmind transferの操作を受けなくてはならず、健康な肉体を捨てる事への抵抗は大きい。従って、いずれ肉体は滅びるという事を悟ったもののみ、mind transferを受ける資格が有ると判断された。
孝明は、この事件の捜査を担当し、元同級生の川村が事件に加担していたことにショックを受けた。しかし、川村や他の研究グループと話をしているうちに、この研究に興味を持つようになった。
川村は、孝明に研究の重要性を力説する。
「西園寺博士は、脳外科医でありながらマサチューセッツ工科大学(MIT)に留学して、脳の基礎研究でも大きな成果を挙げて、40歳代でJ大学の教授になった人だよ。もともとmind transferは、西園寺博士のアイディアなんだ。先生は大学教授時代に、大学は会議や研究費申請、若い医局員の研究指導など雑用が多くて、mind transferの研究が遅れてしまうと考えたんだ。それで、定年前に大学を辞めて、学会で知り合いになった我々と一緒に研究を始めたんだ。」
「TMはいったいどのように、まわりの人や物を認識するんだい?」孝明は、捜査と言うより興味本位に質問した。
「ロールプレイゲームのようなものさ。アメリカの会社が、Second Life という仮想空間を作って、アバターと呼ばれる自分の分身を通して、仮想空間で第二の人生を楽しむと言うものが開発されて注目されたけど、それを発展させた物と考えても良いね。Second Lifeは肉体を介して仮想空間と接触する訳だけど、TMは、完全に仮想空間の一員として“こころ”“意識”が入る点が大きく違うけどね。肉体を介さないで、架空の人物や物に触ったりする感覚も、実物と同じように感じられるようにプログラムされている。臭いも味もすべて生きている人間が感じる時の脳の情報処理が電子回路で再現されているんだ。だから、ステーキを食べたら、ステーキを食べたときの食感、味、匂いなどすべての感じるものを脳の活動が再現するんだ。」
「まずいものを食べる事もあるのか?」
「仮想空間内で、どんな所で、どんな人が作ったものを食べるかは予測できないし、その食べ物をどんな視覚情報として受けとめるかによるよね。その視覚情報と過去の記憶情報を比較する事によって、美味しい事もまずい事も有ると思う。不味ければ、塩や醤油、ソースなどをかけることもやるだろうね。現実空間と同じように、予想外の出会いが有ると思う、だからリアルに感じるんだよ。出会いはすべて確率で決まるからね。現実と同じさ。」
「研究所のパソコンを介して、生きている人間がTMと接触できるキャラクターの一人となることも可能だよ。だから、TMの家族が現実社会で接していたように、パソコンを介してTMと接する事が可能なんだよ。生きている家族は、研究所にある特殊なスーツを着る事によってTMの仮想空間に入る事が可能なんだ。映画のアバターみたいにね。TM同士の仮想空間内での接触は自由にできるよ。研究所内のTMはすべてスーパーコンピュータを介して繋がっているからね。」
「しかし、TMは現実社会で生きている時と同じような感覚に疑問を持たないのかな?“なんかおかしいな”とか?」孝明は、益々興味を募らせた。
「TMが疑問を持たないように、長年脳の研究が進められたんだよ。TMは、自分の心臓の鼓動や息づかいも感じる事ができるんだよ。だから、素敵な女性が目の前に現れたら、心臓の鼓動が速くなるようにプログラムされているんだ。もちろん、好みの女性のタイプと言うのも脳の活動として理解され、TMに保存されているんだよ。無論、mind transferされた時点での好みで、好みが変わる事はないけどね」
「じゃあ、浮気による夫婦喧嘩も起きないね。好みが変わらないなら」
「奥さんと同じようなタイプの若い人が現れなければね、ふふっ。もちろん、奥さんが自分の好みのタイプというのが前提だけど。」
「ははは、それはそうだ。」
孝明は、この研究に将来性を感じながらも、まだ完全には納得できない。
「本当に、コンピュータに心を転移できるのか?人間の心と言うのは複雑で、2進法で処理されるコンピュータで再現できるのか?」
「でもな、世の中の事柄ってすべて突き詰めれば2進法で表現できるんじゃないか?1と0、陰と陽、+とー、右と左のような。例えば、曲線的に動く複雑な車の運転でも、結局はハンドルを右と左に回すという小さな事象が集まった物だろ」
「確かに、曲線も無限に小さな直線の集まりとして分解されると数学で習ったな」
「だから、複雑に見える人間の行動も、非常に細かな2者選択に分解できるんだよ。無限に細かい2進法に分けるのは、コンピュータの得意技だからな。こころも、脳の電気的な活動だから、ある神経細胞が活動するかしないか、ある神経回路に電気的信号が流れるか流れないかと言う2進法に分解できる。従って、こころはコンピュータで表現可能なんだ。Q.E.D.」
「Q.E.D.か、懐かしいな。高校時代に数学で喜んで使っていたよな。ラテン語の Quod Erat Demonstrandumの略だよな」
「なるほど、川村の説明は、相変わらず納得できるな」
孝明は、殺人犯の話に深く感心していた。
「でも、停電になったらどうなるんだ?「こころ」は失われるんじゃないか?」
「実は、最初の被験者の「こころ」は、2111年の大震災に伴う停電で失われたんだ。だから、それ以来、太陽光発電や蓄電池でバックアップしているんだ」
殺人事件と関連する、根本的な事に孝明は疑問をもった。
「生きた状態では、mind transferはできないのか?」
「もちろん、それが理想だが、残念ながら現時点では出来ないんだよ。面白い事に、脳の機能は、2次元の電気回路では再現できないんだ。」
「普通のパソコンでは駄目なのか?」
「脳は、神経線維の集まりと思われがちだけど、神経線維や神経細胞のまわりには、様々な体液性因子や神経細胞以外の細胞が機能していて、単純じゃないんだ」
川村は、さらに最近の研究成果を説明した。
「脳の機能自体も2元論的で、神経細胞同士の電気的な信号が配線を走るだけでなく、その神経細胞が脳のどこに有るかも重要なんだ。線であって点でもある。波動であって粒子でもある、光のようなものさ。それに、脳の空間認知に重要な細胞があるんだけど、それが脳のどこにあるかも重要なのさ。」
「難しい話になって来たな」
「だから、3次元的な神経回路を構築して、脳の3次元構造を模倣しているんだよ。そのため、脳を取り出して、3Dプリンターのように神経系を電気回路で再現する必要があるんだ。2014年に理化学研究所がCUBIC技術というものを開発して、脳を透明化して、一つ一つの細胞レベルで研究できるようになったのが、大きなブレークスルーになったんだ。それに、個々の神経細胞の役割を果たすのは、集積回路で、多数の極小コンピュータが集まって出来たコンピュータみたいなもんだよ。もちろん、生物ではないから免疫系や血管系は必要ないが、どうしても3次元的にする必要があるんだ」
「だからといって、生体実験をして良い事にはならないけどな」
急に警察の一員らしい孝明に、
「もちろん、生体実験には問題があるかもしれないが、本人の同意を得ているし、永遠の「こころ」を与えていて、本人は肉体を失っていても満足している」
「君の言う事はわかるが、現在の法律では違法行為だから、司法が判断するだろう。友人として残念だが」
「それは、わかっているさ」
当然の事ながら、西園寺博士、川村ら6人全員に有罪の判決が下った。
心の転移:Mind Transfer @TatOkamoto
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