最終話:俺は怜夢って奇跡を手に入れたんだと思う。

俺は怜夢との初キスなんかしちゃって、ますますラブが深くなってることを

実感した。

ちょっとツナマヨの味がしたけど・・・。


学校から帰っても誰もいない俺は怜夢の家に入り浸ってた。

強烈なお姉ちゃんたちが手ぐすね引いて待ってることは分かってたけど・・・

で、二階の怜夢の部屋でラブラブしていた。


そうしてたら当然、怜夢の元やくざの父ちゃんとも顔を合わす訳で、元やくざの

父ちゃんに頭を下げられて怜夢のことをよろしく頼みますってお願いされた。


もし怜夢をフったりしたら俺はどうなるんだろう?


簀巻すまきにされて、ゴミと一緒にドブ川に流されるのかな?

だから死んでも絶対、怜夢と別れないって自分に誓う俺だった。


強烈なお姉ちゃんたちに好きに振り回されるんだと覚悟してたら案外、怜夢

との時間をくれた。


姉ちゃんたちは順番に、お菓子やお茶を持って来るから油断もスキもない。


「ねえ、ハグして・・・ねえ、チューして」って怜夢が迫ってくるから

姉ちゃんたちが来ないスキをついてやりまくっていた。

だけどチューしはじめると、つい長くなる・・・もうチュッとかってもんじゃ

物足りなくなっていた。


で、静かにやってくる姉ちゃんにチューしてるところを見つかって、姉ちゃんたち

はニタニタ笑いなから戻っていく。

一階の部屋からキャーキャー言ってる声が聞こえて来る。

あいつらチューなんかしてたよって騒いでるんだろう。

見世物じゃねえわ・・・だけど怜夢は、そんなこといっこうに気にしない。


ハグとかチューなんかしてたら興奮してきて、そのまま怜夢を押し倒したい衝動に

かられる・・・。


だけどエッチはまだ先。

今はいい・・俺たちがもっと大人になって怜夢との関係が続いていたら、その時は

自然に男なりの大人のエッチができるだろう。


それまでは青春時代を謳歌しよう。

学生時代を過ぎて成人するまではお互い綺麗なままでいよう、そう怜夢と話し

合った。


怜夢は俺の顔を見るたびに言う。


「哉太、大好き」って、でさらに「私のこと、好き?」って聞く・・・まるで

一晩眠ったら昨日までの記憶がなくなってたらイヤだなってことを確かめるように

俺の顔を覗き込みながら聞く。


怜夢のこと好きじゃなくなったら俺は元やくざの父ちゃんに簀巻にされてゴミと

一緒にドブ川に流されちゃうんだからね・・・そんなことは絶対ないから。

俺と怜夢が結婚する頃になったら同性愛同士の結婚も法律で認められてるといいな。


ただひとつ問題があるとしたら、俺の母ちゃんに孫を見せてやれないってこと

くらいかな。


こればっかはいくら願っても頑張っても無理。


将来、怜夢が唯一悩むとしたらそのことかもしれないな。

でも、いいじゃん、どうしても子供が欲しいって思ったら、養子か養女を貰えば

いい。


だからさ、今はいい・・・そんな諸々のことは今は考えないようにしよう。

どのカップルより絆が深い俺たち。


俺の横で俺の肩にもたれて寝てる怜夢を、普段の溌剌はつらつとした怜夢を見てると、癒しと元気もらえる。


俺はどちらかとネガティブなところがあるけど怜夢は根っからのポジティブ

明日は明日の風が吹くって感じ。

細かいことにこだわらない・・・イヤなことは一晩寝たら忘れる。

めっちゃいい性格してる。


怜夢のその明るい性格に、俺はいつだって助けられてる。


こんな素敵な、パートナーどこ探したっていないよなって思う。

きっと俺は怜夢って奇跡を手に入れたんだと思う。


素敵な怜夢・・・心から愛してるよ・・・でも、お互いがいつかあの世に召される

時は僕が先に逝くからね・・・君のいない人生をひとり暮らすなんて悲しくて

耐えられそうにないから・・・まだまだ先のことだけどね・・・。

でもそれが神様にお願いする僕の唯一の望みだよ。


おしまい。






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怜夢ちゃん!! フリースピリット。《 劇場版 マイ・ファースト・ラバー 》 猫野 尻尾 @amanotenshi

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