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12月24日 火曜日
クリスマスイブ。この日ついに、病院の医師から特大のプレゼントが届く。
「昨日の心臓超音波検査と心電図の結果が良かったので、今日帰りましょうか。退院です」
私は次女と抱きしめ合った。当初の予定よりも3日早い退院だ。こうして、私たち家族にとって修羅の16日間は幕を閉じた。長かった。本当に。
今回、主人は在宅ワーク中に時々出社もして、家事もして、長女のこともみてくれて、本当に沢山のことやってくれた。パートナーが彼でなかったら、私は今回の試練を間違いなく乗り越えられなかった。それでも主人は、作ったご飯を長女が食べてくれない虚しさや、日々の家事をこなすことで『いつもありがとう』と逆に私に感謝してくれるほどだった。
思えば、次女と2人きりでこんな濃密な時間を過ごすこともしばらくなかった。当たり前だが彼女が生まれた時にはすでに長女がいて、長女が幼稚園に入園してからの平日の昼間も、私は家事をして買い物をして、ふとした息抜きにテレビを観たりなんかして、塗り絵やブロックや折り紙にここまで向き合ったことはなかったように思う。
長女のことも、同じくらいたくさん考えた。日々淡々と過ぎていく日常が、元気にふざける子供たちを叱る日常が、どれほど貴重で尊いものか身に染みた。
次女は帰ってからも、しばらくは薬の内服が続く。定期的に通院もしなければならないし、飲む薬によっては血が止まりにくくなったり免疫が低下したりと、まだまだ気は抜けない。それでも、家族で過ごせる幸せは何事にも変えがたい。
まだまだ、先は長い。それでも今回、こうして次女が川崎病になったことを経てその知識や対策方法を得られたこと、そしてなにより娘たちの強さや成長を知れたことは、私の人生において大きな糧となった。
川崎病は後天性の心疾患の中で最も頻度の高い疾患だという。だが1970年代前半では1〜2%もあった死亡率も、ガンマグロブリンによる治療法などが導入された1990年代には0.1%以下となり、突然死の可能性は川崎病にかかっていない人と同レベルまで減少している。
だから恐れずに。これから先の未来、1人でも多くの方が川崎病の知識を得て、対処、治癒に辿り着くことができますように。また、川崎病に対して不安な思いを抱えている方の気持ちが少しでも解消されることを願って、結びとする。
了
川崎病 ー私たち家族の16日間ー 千鶴 @fachizuru
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