『感情』が芽生えてしまったのは、本当にメイドさんだけだったの? ん?

 本編を最後まで読んだ後、このタイトルの言葉を問いかけたくなりました。

 主人公である「ぼっちゃん」は、自動人形を「メイド」として傍に置き、身の回りの世話をいつも焼いてもらっています。
 その世話焼きっぷりは徹底しており、「眠っている間に着替え」をさせられるだけでなく、なぜか食事やトイレまで済ませられているという(一体どうやった!)。

 魔法石という特別な技術で人間と変わらないように動くオートマタが生み出され、次第に感情が芽生えているのではないかと思い始める。

 そんな「彼女」との生活を続ける内に、次第に別の変化も……。

 オネショタ的なテーマもあり、ぼっちゃまを愛でてもいいし、メイドさんを愛でてもいい。読者の持っているなんらかの感情(あえて性癖とは言わない!)を刺激してくれること請け合いです。

 そして、ラストもほっこり。ぼっちゃんとメイドさんの関係を見守っていたくなる、とても楽しい一作でした。