第2話 もひとつまずは、短編の定義、文字数って?
ああ、自己紹介のところで言い忘れてましたが、卯月は長い事(民間)教育業界で働いていました。塾とかのセンセってやつですね。黒板やホワイトボードを背に小中高生のちびっ子たちを相手に集団指導型の授業をやってましたんで、雰囲気的にはそんなのをイメージしていただけたら良いかと思います(保護者会のような畏まった感じでもできますけど、底辺作家がそんな偉そうに書いてもあれでしょ?)。
というわけで、『教材』があると卯月はやりやすいのです。
ちょうどこの『創作論』を書いている2024年も終わろうとしている12月。開催されているのは『カクヨムコン』。で、その『カクヨムコン』と運営さまが連動させて、『短編』の応募数を増やしたいとお考えになられたのか、急遽開催されたのが『「カクヨムコンテスト【短編】」複数応募キャンペーン&お題で執筆!! 短編創作フェス』(https://kakuyomu.jp/info/entry/multi_cp)です。ええ、KACなんかと同じ『お題』系のイベントです。
告知と同時にいきなり第1回の『お題』も発表されたビックリなイベントです(こ、心の準備が……さ、いらない?)。
で、その『お題』がこれ。
「試験」
です。
まあ、ありがちな感じではありますけど、こういうシンプルなものは基本の『教材』として使いやすい。拙作で申し訳ないのですが2作ご用意(お題発表から実質2日で書き上げました)。
【教材①】こんな世界になっても試験官は人力です。~幼女連れのプロ試験官の憂鬱~ 【3823文字】
https://kakuyomu.jp/works/16818093090429111058/episodes/16818093090429171365
【教材②】長い長いアリエルの試験の旅路~見習い魔法少女と黒の魔導士~ 第1話 黒炎 (全6話)【10000文字】
https://kakuyomu.jp/works/16818093090509398162/episodes/16818093090509471595
※リンクは第1話を貼っていますが、教材としては第1話~第6話まで。10000字ちょうどの長さですのでカクヨム的に分割した感じ。全体でひとつの短編です。
おいおい、卯月。お前の作品の宣伝かよ! って思われたそこのあなた!
正解です。
予備校とか塾に行ったことのある方はお分かりかと思いますが、営業活動は基本のキっす。(民間)教育に何かおかしな幻想を抱いている方がいらっしゃいましたら、それ、間違ってますんで。ご飯を食べられなければ、授業はできないのです(業界の方が言いたくても言えないことをここで代弁しておきましょう)。まあ、予備校のほうが露骨だとは思います。学力があれば費用なんてゼロでもいけたりする(特待生的なの)。でも、そうでなければ結構、追加講座の提案の営業されるんじゃないかと(およそ必要なので、そうでない悪徳もいるっちゃいる)。
ああ、ついつい脱線してしまいました。まあ、多くの集団授業型のセンセは脱線しますからね(でないとちびっ子の集中力はもたん。まあ皆さんの多くが大人かと思いますので必要ないかもですが)。
この【教材①】と【教材②】、両方ともファンタジー枠です。現代(ローファン)と異世界(ハイファン)の違いはありますが、魔法やら魔物やらのいる世界であることは同じです。まず、内容面以外の違いとしては文字数になります。
そもそも卯月がネットで小説を書き始めたのは【長編小説】からです。カクヨムではなく別の投稿サイトではありますが。シリーズ分けすることにはなりましたが、延々書き続けて103万4656文字まで到達しました(約一年)。その初めの作品がそのサイトのコンテスト(カクヨムコンに似たやつ)で1次通過したことに気をよくした結果。現在も書き続けているという感じです(その後の現実は甘くは無かった)。
一般的には、まず短編(掌編?)から始めて小説に必要な要素をひとつひとつ学んでいくというのが王道らしい(多くの小説執筆本にある短い文章でのレッスンみたいな)。そんなことを後に知る卯月にとっては、『短編』というのは、文字数の「少ない」「短い」小説くらいの認識でした。
そして最初の短編デビューはカクヨムの短編フェスだったはず。
そこで初めて、『短編』小説って何? ということになります。まず文字数についてはそのイベントの要項をみれば分かります。そのときの条件を覚えてはいないのですが、今回の短編フェスと変わりはなかっただろうと思います。
この『短編小説』の定義についてまずは、確認しましょう。
まずはとりあえずのwikipediaさんから。
――短編小説は、小説を長さで分類した呼称の一つで、比較的短い小説を指す。長編小説に対していわれるもので、具体的な長さは決まっていないが、一般に原稿用紙10枚から80枚程度の作品が該当する。また短編のうち特に短いものを掌編小説・ショートショート、短編と長編の間の200枚以上ほどの長さのものを中編小説、とそれぞれ呼び分けることもある。連続して短編小説を織り成して一つの大きなストーリーにしたものを連作短編 ともいう。 西洋では、Roman、Novel(長編小説)に対して、Novelette(短編よりやや長いもの)、Short story、Conte、という形式がある。
はい。長編と比べたらだけど短いのだね、っていう感じです。出版社系のサイトだとか公募サイトとかいろいろみたけど、はっきりしないお答えで、だいたいこれくらいの文字数でいいんじゃね? みたいな。
実際書いているのはネット小説ですから、そっちはどうなのか。
「小説家になろう」さんだと、200~70,000文字以内。そうそう、「なろう」さんで短編を投稿しようとすると、一話完結じゃないと『短編』扱いしてくれない。そういったこともあって、あちらのランキングなんかを見ると、カクヨムではあたりまえの千文字、二千文字って少ない(固定ファン付きの方のは別モノ)。五、六千~二万弱が普通のもよう。
掌編、ショートショートなどの区分も存在するにはしますが、まあここでは無視してよいでしょう。
カクヨムは皆さんも御存知の通りです。KACなんかの印象もありますけど、カクヨムの短編のイメージは二、三千(もっと短い?)。まあ、WEB小説の長編一話の読まれやすい文字数に近いかと思います。
【短編賞とか】
公募ガイドで「コンテスト関係の」短編文字数を眺めてみる。オレンジ文庫の短編小説新人賞が400字詰め原稿用紙25~30枚(10000字~12000字)。地方の文芸賞だと4000字以内ってのが目立つ。応募者はこの4000字あたりまで書くと予想される。神奈川文芸賞は400字詰原稿用紙30枚。北日本文学賞も400字詰原稿用紙30枚。こういった賞金額の大きいところはだいたい12000字あたりでそろえているもよう。長塚節文学賞8400~20000字。ホラー&ミステリー短編大賞4000~14000字。
で、ネット小説系のものは、カクヨム400~10000字。エブリスタ100~8000字。〔スターツ出版系サイト〕野いちご1000~30000字、ノベマ!32000字以内。20000字以内。ノベルアップ+5000~30000字。文コロ短編賞4000~40000字。はっきり言って短編賞自体が少ない。
ネット投稿サイトの、この数百文字スタートというのは、応募数稼ぎかと思われる。賑やかしも大切だし、他のコンテストとの応募総数規模の比較なんかも意識しているのだと思われますね。
カクヨムの短編イメージ(卯月だけそう思ってる?)の数千字というのは、カクヨムには公募勢も多いと聞いていますので、地方系に多い4000字以内が基準となっているのでしょうか? 卯月としてはネット小説長編1話分で読まれやすいとされる2000~3000字あたりが、基準となっているものとばかり思っていましたが、どうなんでしょうね(真偽は不明)。
ここまで短編の文字数について書いてきましたが、じっさい3000字ほどの作品と10000字あたりの作品(一応複数話に分けて読みやすくはしてみた)についての反応は短いほうが圧倒的に良いですね(知ってた)。カクヨム内における短編イメージから大きく外れる10000字付近というのは、読んでもらうためにはかなりの営業努力が必要であり、または多くのフォロワーさんを抱えていないと厳しいです。
戦略的に正しいと思われるのは、2,3千字で評価を頑張って集めてから加筆していくことでしょうか。最終的に完成する作品が同じであっても、星がついているものには「読んでみようか」という心理も働くかと思います。ですので、極力、「長い」短編(?)の一番初めの星は3つからつけてあげることを推奨します。一万字ものの短編で投稿がすべて終わっていないのに星1スタートというのはね(怖っ)。これは想像力を働かせていただけたらわかるのではと思うしだいであります。これは賞金額の大きな短編賞を狙われる本気系ガチ勢の方々にとっては苦労する現実かと思います(ああ、卯月はそういうのは無理なエンタメ界隈の書き手ですので、特に気にはなりません)。
ですから、こういうのが嫌な俺には10000字すらぬるいという方は、あとから加筆作戦? あとは「なろう」さんとかは短編の文字数の印象は「長め?」なので、そっちでいくとかいかないとか。でも、大きく加筆して、それってもう別物の小説じゃないの? っていうのは読者様の信頼を失いますので、控えたほうがよいかと思います。
今回はここまでです。次回からさっそく『お題』モノについて書いていきたいと思います(予定)。
では。
『お題』系短編企画・イベントにおける短編小説執筆の『考える技術』 卯月二一 @uduki21uduki
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