第3話
高天原に報告してから次の日、迅はリーリスとの出会いもあってか長めの休日を取る事にし、家でのんびりと過ごしていた。
迅の住む家は高天原から少し離れた場所にあるマンション
部屋は2LDKで一人暮らしをするには十分すぎる広さだ、家具も一通り揃っていて、生活に困ることはない。だが
「・・・暇だ」
そう、迅には趣味と呼べるものがなく、もはや
そして今、休暇の為その趣味がなくなり暇を持て余している迅は全身からやる気のなさを滲み出しながら、ソファで寝っ転がっていた。
そんな怠惰な時間を過ごしているといつの間にか気づけば日は沈み暗く夜が訪れていた、気だるけに時間を見ると19時、夕食にはちょうどいい時間
もともと朝食をとらない生活にさらにこの日は昼食をとるのも忘れ、そういう時間だと自覚したせいもあり当然の如く腹の虫が大きく鳴る、迅は体を起こすと食事の為に外に出た
「こういう時はラーメンだな・・・」
外はよるということもあってほんのり肌寒く、昼も食べていない迅はガッツリ食べようと、そう独り言をつぶやくと夜の街を歩いていく
「いらっしゃいーー!!!」
少ししてどこにでもあるようなラーメン屋に入ると勢いのある声に出迎えられ、店員に誘導されカウンターに座ると濃厚豚骨ラーメンに煮卵追加、炒飯、替え玉1玉のセットを注文した
食事を待っている間、水を飲みながらなんとなく店内を軽く見渡す。
満席ではないものの客は多く、ラーメンの具だけのおつまみセットや餃子で酒を飲んでいる客もいる。そしてそんな店内を店員は忙しそうに駆け回っていた
「はい!お先、濃厚豚骨ラーメンに煮卵トッピング!炒飯はもう少しお待ちください。替え玉はいつでも言ってください!!」
そんなことをしていると注文していた料理が運ばれてくる、食欲を誘う匂いに迅の腹は鳴り、早速食べ始めた
「うめぇ」
通ぶるようにまずは口の中に濃厚なスープを入れ口内に濃い味を広がせる。そして麺、濃厚にしたおかげで麺に良く絡みずっと味わえる、チャーシューは薄めに切ってはいるが味が良くしみ、煮卵は切らず丸々一個、冷蔵庫から出したのか少し冷たいがなぜかそこがいい、そう食べていると
「はい!炒飯お待ち!!」
ドンッとテーブルに置かれた炒飯、だがまだ手を付けない、まずは今食べているラーメンを楽しむ。
麺をある程度食べた迅は
「すみません、替え玉、固めで」
「はいー!」
店員に注文するとようやくチャーハンを頬張る、少し時間を置いたがまだ熱く湯気をのぼらせている。程よい塩気と米の触感、そして匂うニンニクが食欲を加速させる。
「はい!替え玉お待たせ!」
注文した替え玉を投入し、軽くほぐすと残りの炒飯を行儀が悪いが皿ごと口に付け米一粒残さず頬張る
そしてスープを一吸いすると今度は卓上にある、紅ショウガ、ゴマ、塩コショウで味変、にんにくは今回はやめよう。
紅しょうがの酸味とゴマの香り、そして塩コショウですこし変わったスープがこれまた、固めにしたおかげで麺の歯ごたえもアクセントだ
そんな楽しい思いをしているとドアの開く音が聞こえた。
だがただ新しい客が来ただけ迅は気にせず食事を楽しんでいた
するとどうだろう今まで騒がしかった店内が妙に静かに、正確には迅の麺を啜る音だけが響いている
そしてコツコツと誰かの足音が聞こえ、迅の隣に座る。
隣に座られると自然と横を見てしまうのは人の悪い癖か、迅は横目に隣の客を見る
そこには・・・
「こんばんは、また会ったわね?」
出会った時とは違う、かなり違う
赤いジャージを着たリーリスが座っていた
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ラーメン食べたくなったら作者の勝ち
肩身が狭い狩人 @ASATUKI-39
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