ワガママ姫様専属執事です、クビ回避のため立派な王女へ変身させようと思います

僕、リン・ローデンは前世の記憶を持つ転生者。
伯爵家の三男としてこの世に生を受けたものの、特筆する長所はナシ。

二人いる兄は貴族学校で名を馳せている一方で、家のお荷物である僕はいつか家を追放される。

そうなる前に、どこか働く所を探すのだ。

「父上、王城へ執事として出仕させてください！」

五年後……僕は突然王女専属執事として離宮で仕事をする事になってしまう。
上司の言葉に従って離宮へ行ってみれば、人はいない、掃除はされていない、おまけに王女はワガママ姫様と来た。

「何とか耐えるしかない、か？」

異世界で生活が覚束ない僕に、仕事を辞めるという選択肢はない。
僕は、あのワガママ姫様の言動に耐えられるのか？

かくして、ローデン伯爵家の出涸らしと言われた僕の運命が動き出した。