第12話「ご褒美は何がいい?」

荻野と普通に話すようになったのがいつ頃なのか、そのきっかけは何だったのあ、あまり覚えていない。確か最初は荻野が苦手な数学を教えていて、その後は全部苦手な福本も含めて勉強会をするようになっていた(笑)


荻野は福本と仲良くしているようで、三人で話す事が多かった気がする。色白で茶髪で華やかな見た目の福本と、色黒メガネ太目という今でいうナードっぽい見た目の荻野の取り合わせは変だったが、二人が下ネタ・シスターズだと知ったのは大分後の事だ(笑)


話すようになって二人の関係性が分かったのだが、荻野が完全にお姉さん、というか保護者だった。兎にも角にも頓珍漢な福本を、荻野がアレコレ世話を焼いている。いつの間にか自分も福本をイジったり突っ込んだりする事になっていた。


1学期の期末試験、うちの中学では試験までの一週間は試験期間といって、部活は全部休みになる。自分にとっては一番どうしょうもない時間で、大して試験勉強をする気も起きないのだが、部活もないし、かといって遊んだり試験勉強以外のことをやる気にもならない。だから、彼女たちの家庭教師をやるのは悪くない暇つぶしだった。


よく言われることだが、人に教えることは結構自分の勉強になるものだ。自分の頭の中で分かったつもりになっていたものが、分かりやすく正確に表現するのは意外と難しかったりする。そして、それこそがテストの回答というものなのだ。


だから、この時の試験の結果は今までで一番良かったはずだ。なぜか荻野と福本が一番喜んでいた。そして、二人に何かお礼をしたいと言われたのだが、特に何も思いつかない…そして、最初は俺へのお礼という話だったはずなのだが、いつの間にか三人でプールに遊びに行くことになっていた…

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∇関係 Hanako @yebisumeitei

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