僕はかみさま
白幡ましろ
第1話 人生最後の日
代わり映えのしない朝。
携帯のアラームで目を覚まして顔を洗い、灰色のスウェットからスーツに着替える。鏡を見ながらネクタイを締めて、身なりが整ったのを確認して家を出る。朝食はとらない。ここ何年もそうしているから昼前の空腹感にももう慣れた。
社会人になってもうすぐ十年が経つ。この人生を百点満点で評価するなら今のところ七〇点くらいかな、そんなことを考えながら左手に四角くて黒い鞄、右手には丸くて白いつり革を握りしめていたら会社の最寄り駅に着いた。
仕事は楽しいとは思わないけど苦にもならない。ただ人間関係が煩わしいと思うことはまあまあある。でも、職場を変えたいと思うほどではないし、どうせ場所を変えたところでまた別の悩みがやってくるだけだ。
この先やりたいことも、今したいこともよくわからない。ただ、死ぬことができないから生きている。そんな感じだ。きっとこんな日常が続いて、年老いて、いつか死ぬんだろう。そんなふうに思っていた。
けれどその日、そんな僕の予想に反して僕は死んだ。
僕はかみさま 白幡ましろ @mashiro-shirahata
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