TSクズ盗賊さんの迷宮日記

@tinko1129

第1話 カーテンコール

顔だけが取り柄のキチガイ女は、無駄にデカい乳もろとも心臓を槍で貫かれ笑いながら、弟の介護をよろしくねといい、死んだ


 頭アホアホチーズ牛丼は私を庇い幸せになってねと言い残し、自分から私の盾となり、真っ先に切られて死んだ。


 偉そうなクソ貴族は魔術をぶち込まれ火達磨になり絶叫しながら死んだ。


 傭兵の女はクソがと言い残し斬り殺され死んだ。


 金髪馬鹿チンポは、こんなところで誰も死なせない、僕が殺させないと絶叫しながら死んだ。


 私は叫んだ


「つっっっっっっっっっっっっっっっかえねえな!クソ共!てめえら頭にオガクズでも詰まってんのか!クソボケ!」


 そして私は左手の銃を自分の頭に向け、鉛玉を私の脳みそにぶちこんだ。


 ガツンと衝撃が頭に走ったと脳が認識した直後に二つの苦しみがぶっ壊れた脳に伝わる。


 痛いという概念が、脳と神経を走り回っているかのような激痛。


 死と言う虚無に吸い込まれていく根源的な、叫びだしたくなる程の恐怖。


 脳に銃弾が撃ち込まれた事によって私は死ぬ。


 あばよクソッタレな世界、お前私の事嫌いだったろ。私もてめぇの事なんて大嫌いだバーーーーカ。





 そして発動する、【死に戻り】が。

 ■■■■

 死んだ地点を基準として10秒ほど時を巻き戻す能力、心臓が停止した瞬間それは発動した。



 時が巻き戻り世界が巻き戻る。


 巻き戻った先は二つの集団がまさにいまぶつかり合おうとしている瞬間だった。


 片方はクソ雑魚の癖に身の程も弁えず、大迷宮へと挑戦している、目の前のクソクソ馬鹿兄妹及び、馬鹿兄妹の払う高額の謝礼に釣られて死んだ馬鹿✕4(私含む)の馬鹿軍団。


 迎え撃つは馬鹿軍団を狩ろうとするクソみてぇな追い剥ぎの集団だ。


 大迷宮一層探索の稼ぎで満足する程の謙虚さも、二層以降の地獄に立ち向かう勇気も能力も、地上で真っ当に働く根性もない蛆虫を超えた蛆虫。


 その目に宿るのは、カモがネギしょってやってきたぜェグヘヘヘヘヘ・・・と言わんばかりの爛々と輝く期待と悪意。


 そして本日1回目の、私にとっては2回目の戦闘が始まった。


 ■■■■

 前線に出て迎え撃つは顔だけが取り柄の金髪馬鹿チンポ。それに傭兵女、頭お話畑チーズ。


 後衛はクソ貴族、イカレ女、そして私だ。


 一度やられたとは言え勝利への手順は見えている。


 鍵となるのはイカレ女。黒系統白系統両方に適正のある、駄肉ぶら下げたアホだ


 前回の戦闘ではクソの役にも立たない魔術をぶっ放していたが今回は私様の指示によって【異常系統第一位階 睡眠魔術】を詠唱している。


 おれの経験上低層低レベルで猛威を振るうのは【異常系統】の魔術、もっと具体的に言えば【異常系統第一位階 睡眠魔術】だ。


 すごく簡単に効果を説明するとごく一部の強者以外を8割の確率で30秒間無力化する毒霧を7メートル四方にばら撒く魔術だ。抵抗レジスト出来なければ受けた対象は完全に無力化される。基本的に超短期決戦となる迷宮戦闘において30秒間の行動不能は死を意味する。

 よってこの魔術は実質即死攻撃と言っても良いだろう。広範囲に効果を及ぼす即死魔術の時点で強いが、何より恐ろしいのはこの世に存在するあらゆるスペルの中で最も習得が容易であることだ。あらゆる犯罪に適用でき、習得が楽と言う事で、怠惰なクズ共が好む魔術だ。ちょうど今目の前にいるクズ共の様な。


 そして今クズ共が放とうとするのもまた【異常系統第一位階 睡眠魔術】一発でもまともに撃たせてはいけない魔術が詠唱され構築されんとする。


 ところで皆様方に質問だ。魔術への対抗手段にはどういうものがあるだろう。


 沈黙系統の状態異常?対魔術結界?異能を無効化する力を持った右手?単純なタフさ?魔術を斬る剣術?魔術の誘導を振り切る回避能力?より強力な魔術?魔術を粉砕する身体能力?


 どれも正解だ。


 では私の様ななんの才も無いクズに取れる魔術への対抗手段は?


 答えはシンプルだ。


【撃たれる前に無力化】


 これに限る。


「ぶち込め、クソ乳!」


 追い剥ぎのぼんくら共の詠唱より早く完成した

 馬鹿の【睡眠魔術】が発動する。


 薄い蒼の霧は追い剥ぎ共の一党を包み込み、舐めるようにその肉体の上を這い回る。睡眠魔術だと気付いたときにはもう遅い、追い剥ぎ共のボスらしきクズだけは指を噛みちぎるほど強く噛みしめ、眠気に抗おうとしたようだがドタドタと倒れていった。


 そして敵の一党計五人が倒れ伏し、ほぼこちらの勝利と呼べる状況になった。


 後は無力化こそされどまだ生きているコイツラにトドメを刺すだけだ。


 もし自分の人生を、復讐者気取りの、被害者面の凄まじい、逆恨みで襲いかかってくるクズに台無しにされたくなければ、どんなに辛くともこの手のクズは絶対に殺さないといけない。それは今までの経験上よく理解している。


 それ故に、自らの幸せの為だけに、正義も倫理も置き去りにして、冷酷に、無慈悲に、残酷に、腐り切ったエゴをもって私は人として最低の禁忌を犯す事を決めた。私は右手の短剣と左手の拳銃を握りしめて……


 脂汗が垂れる中で無駄によく通る金髪チンポの声が耳に届いた。


「総員撤退!今すぐ!」


振り向くとその目には人間を殺す事への恐怖が染み付いていた。ああ、こいつ殺しから逃げるつもりだな


 まあ、仕方ねえ、お雇い主様の命令だ。私は身を翻し迷宮の出入り口に向かって走った。クソ共にトドメを刺すのも忘れて。


 それに貴族魔術師も、傭兵女も、僧侶も続いた




 ■■■■

 迷宮からの帰還後酒場でクソ共のパーティーメンバーが反省会やってんのを私は半分寝ながら聞いていた



 今リーダー面してわめいてんのはこのパーティーのリーダー(笑)兼私の雇い主の兄妹の弟のほう、ジーク。英雄を目指しているらしいが初対面でいきなり私に対して

「小夜子ちゃんはスラム街の人なのかい?安心してくれ!僕は貧乏人も差別しないからさ!」と善意100%の目でほざく辺り本当駄目だと思う

うっすら他人を見下しているのが透けてんだよ、クソが。


 ついでに普通に性欲の権化だ。合流してからここくるまでの一時間ですれ違った女全員の顔と胸の駄肉とケツを舐め回すようにみていたのは全員にバレていた。


 すれ違ったボインを眺めた後私……小夜子の胸見て憐れむような目をしつつ鼻で笑ってきた時はマジで絞め殺してやろうかと思ったわ。


 こんなんでも顔は抜群に良い。肉体はともかく心は同性である私がゾッとするほどの美青年。


 ついでに人を殺せない。前回の戦闘では後衛が蹂躙されないように壁をやるという前衛の役割を無能なりに果たしていたが、人殺しにビビり攻撃ができ無いのを突かれこいつから崩されていた。人殺しができないという、本来尊く、偉大で、誇るべき、報われるべき善性が、クソの役にも立たないのが迷宮のもっともクソッタレなところであると私は思う。


 その後ろでクッソきたねぇ食い方をしているのはリグレット、金髪馬鹿チンポの姉の魔術師だ。


 顔は金髪馬鹿チンポと同レベル、だがだいぶ頭がおかしい



「小夜子ちゃんはリグレットさんより年が下なんだから私にしっかり敬語を使う事!良いね!」


 これがこいつの第一声だ。


 こんなのをドヤ顔で言うあたりどうかしてる

 そして……まあ、乳がデカい……頭より……


 ああ、クソ、ちょっと乳がデカいからって調子乗ってんじゃねえぞ。クソッタレが。クソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソが


 あとこいつここくる前にちょうちょ追っかけてどっか迷子になりかけてた。やっぱ乳の大きい女は馬鹿だってはっきりわかんだね


 私は巨乳とか言う馬鹿量産奇形体質で無くて本当良かったわ。良かった良かった。良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった良かった……


 お次はクソ貴族フラメル、嫌味な魔術師、以上


 次に女傭兵アリア、戦士、口悪い、以上


 そして問題はクソ僧侶チェイン、。


 性格は、まあ、良い。さらに常識も、ある


 しかし顔がチーズ牛丼の上に一人称が小生なのがそれを台無しにしている。


 あとこのゴミみてぇな面子相手に「小生達良いパーティーになれそうだね」とか抜かしてやがる真性のバカだ。






 最後に私様、ここまでの文章を見ればわかる通り紛うことなきクズだ。そして盗賊だ。頭も、力も、地位も、何も無いコソドロ


 産まれた時にはキラキラと輝いていた目は薄汚く濁り、腐っている。


 周りからは老若男女の悪いとこ詰め合わせセットだの恨みは石に刻むが恩は水に流すカスだの三大欲求金名誉以外何も頭に無い女だのグダグダ言われている。


 実はもともと男だったがとある事情で14歳で女になってしまっているのだが、この事に関してはあまり語りたくない。こうなった経緯に関しては痛みと苦しみと悲しみの記憶しか無いからだ。


 ともかく


 改めて見ても地獄のようなイカレポンチの軍団だ、クソっタレ


 そしてこれから始まるのはどうしようもないクズである私による薄汚い、腐った、醜い物語だ。


 これより開幕


 迷宮よりクズがお送りします


 皆様どうかお付き合い下さいますよう、お願いします












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