第5話 古代遺跡と裂け目の男!
【古代遺跡への道】
「なあ、どうして急に古代遺跡なんだ?」
隼人たちは、ソフィアの提案で森の奥深くにある古代遺跡を目指していた。セシリアは少し困惑した表情で尋ねる。
「確かに、古代遺跡には貴重な宝や情報が眠っていると聞きますが……突然どうして?」
ソフィアは無表情で答える。
「単純な話よ。遺跡の中には、“裂け目”に関わる情報がある可能性が高い。」
「裂け目?」
ルチアが眉をひそめる。
「聞いたことがあるわ。裂け目は、この世界に存在する異常なエネルギーの源……だけど、近づいた者は“呪い”や“消滅”を被ると言われてる。」
隼人は興味津々の顔で頷く。
「ほう……つまり危険だってことか?」
「そうよ。」
「いいじゃねえか!俺が最強だって証明するにはピッタリだ!」
「……本当にバカなのか、それともすごいのか分からない。」
ソフィアはため息をつきながら、隼人たちを引き連れて遺跡へと向かった。
【遺跡の内部】
遺跡に到着した一行は、すぐに異常な空気を感じ取る。壁一面に描かれた古代文字、崩れた床、そしてそこかしこから漂う怪しい気配――。
「これ……何か出てくるやつよね。」
エルフィーが震えながら呟く中、隼人は悠々と遺跡の中心に向かって歩いていく。
「お前ら、怖がる必要なんかねえ。俺がいる限り、何が出ても安心だ!」
「だからその根拠のない自信は――」
セシリアが説教を始めようとした瞬間、突然床が崩れ、一行は地下へと落ちていった。
地下に落ちた隼人たちの目の前に広がっていたのは、巨大な空間だった。壁一面に光る赤い結晶と、その中心に蠢く巨大な魔物。
「なんだよ、あれ……!」
魔物は全身が触手で構成され、その触手の先端には人間の顔のようなものが浮かび上がっている。ルチアが驚愕の声を上げる。
「あれ……**“喰らい手の触媒”よ。裂け目の影響で生まれた異形だわ!」
「喰らい手?名前がエグいな!」
魔物はすぐに隼人たちに気づき、触手を振り回しながら襲いかかってきた。
「ルチア!お前の鎖でこいつを縛れ!」
「寿命が減るんだから簡単に言わないで!」
ルチアが呪文を唱えながら鎖を振るう一方で、セシリアは剣を抜き、触手を次々と切り裂く。だが、魔物は触手を再生させ、さらに激しく襲いかかってくる。
「これ……倒せるのか?」
エルフィーが怯える中、ソフィアは冷静に呟いた。
「私が行く。」
彼女は赤い鎧を光らせながら魔物に突進する。その剣技は圧倒的で、触手を次々に切り裂き、魔物の中心部に迫る。しかし、その途中で魔物の攻撃を受け、彼女の鎧が砕け散った――そして、隠された“紋章”が露わになる。
「……ソフィア、その体……!」
セシリアが驚きの声を上げる。ソフィアの背中には**“裂け目の刻印”**が刻まれていた。それは、この世界に存在する禁忌の力を持つ者に現れる紋章だ。
「見たなら分かるだろう。私は“裂け目に触れた者”だ。」
「何だと……!?」
隼人は驚きながらも、すぐに笑顔を浮かべた。
「……で?」
「……“で”って何?」
「お前が裂け目に触れたとか触れてないとか、どうでもいい。俺の仲間なんだから、そこが面白けりゃそれでいいんだよ!」
ソフィアは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに笑みを浮かべた。
「……お前、やっぱりバカだな。」
ソフィアの剣が魔物の中心部を貫き、巨大な異形は崩れ落ちた。だが、その場に残った赤い結晶が不気味な光を放つ。
「これ……まだ動いてる?」
ルチアが呟いた瞬間、結晶が砕け、中から一枚の古代文書が現れた。そこにはこう書かれていた。
「裂け目の中心に眠る力――それを操る者が、この世界の未来を決める」
セシリアが顔を曇らせながら呟く。
「……裂け目の力を操る者って……隼人さんのことなんじゃないですか?」
「は?」
隼人はポカンとした顔をするが、ソフィアは静かに文書を握りしめた。
「とにかく、私たちの旅は本格的に“裂け目”に向かうことになりそうだな。」
「……よし、何が来ても俺に任せろ!」
「それが一番不安なんですが!」
こうして、一行はさらなる冒険へと進むことを決意する――。
《異世界でビッグに!俺が全てを動かすんだ!》 @amanohayato
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