第1話

「初めまして!私の名前は菊池 葉月。小中高一貫校のこの星銀学園に高校から入学しました!長所は元気なところと体力です!よろしくお願いします!」


教室のみんなからのまばらな拍手。私はあわてておじぎをして自分の席に戻った。

ふう…

こういう自己紹介って入学式の次の日とかにやるものだと思ってたから何を言おうかなんて決めてなかったな。なんとかなって良かったあ。

私がほっとしている間に次は私の隣の男子が呼ばれた。彼は黒く長い髪が流れるように教室の前へと歩く。

そういえば初めてこの人の顔を真正面から見たかも。上にも下にも細かく生えている長いまつげ。高い鼻筋にきゅっと結ばれた左右対象の口。雪のような肌には青みがかってつややかな黒髪がよく似合っていて、


間違いなく美形だ……。


その美形がかたちの良い口を開く。


「初めまして。如月 ユキです。ボクも高校からの入学です。いいところは…やっぱりこの美しさだよね。みんな、これからよろしくね。」


そのあとパチンとウインクを1つ。

少し間を置いてからまた教室からまばらな拍手が起こった。

なんか…変なやつかもしれない…。


これが私の彼に対する初めての感想だった。

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如月君は輸血鬼 しるば @1214002

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