第6話 宝物

祖母の家から実家へ戻り、いつもの生活が始まり一か月が過ぎた。

ハル君と過ごした三日間は誰にも言っていない。

私だけの秘密だ。


彼と出会った事で気持ちに変化が起きた。

ただ何となく仕事をしていたけれど、経理の勉強を

してみようと思った。

食品会社なので、食品衛生の勉強もしてみようと思う。


ハル君が美味しそうにお弁当を食べてくれた時、

すごく嬉しくて充実した気分になった。

料理の腕も磨きたいと思う。


職場近くにお気に入りのカフェが何件かあり、どれも居心地がいい。

漠然とではあるが、祖母の町で素敵なカフェができないだろうかと

思ったりもする。

あの町は自然にあふれ、澄んだ空気に心が洗われる。

もっと多くの人に良さを知ってもらいたい。


ハル君、来年の夏も君と過ごした町に行くね。

その頃は、少しは成長しているかな?

ハル君の笑顔を思い浮かべ、今日も大切に過ごしていこうと思う。

私に宝物をくれてありがとう。

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約束のナツ 千莉々 @chiriri2424

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