3
会社を出たのは15時前だった。
車に乗って携帯を手にした。
結城・・・・。
明後日・・・。
涼に逢うのか・・・。
アイツともうやったのかな。
・・・・・・・。
俺じゃ・・・・ダメだったのか・・・・。
結城に電話をかけ・・・・タバコを吸った。
『んー・・・もしもし???』
・・・・・・。
かなり眠そうな声。
「昼寝中?」
『んーー・・ちょっとウトウトしてた・・・・・どうしたの???』
・・・・・・。
「今から・・・・逢えねーかなって・・・・。」
俺が言うと・・・・電話の向こうでゴソゴソ動く音・・・・。
『ん・・・今日・・・・化粧も何もしてないから・・・・・』
そっか・・・。
「じゃ・・・明日は??」
『俊也・・・ごめん、・・・あの・・・・・』
「・・・・もう逢えない?・・・・」
『・・・・うん・・・・・。』
くそ・・・・。
涼に持っていかれた。
・・・・・・。
そんなの覚悟していた・・・はずだけど。
かなり悔しい。
ハンドルの上に頭を乗せ・・・・マジでここに連れてきたことを後悔した。
いや、・・・・。
後悔したのは・・・・。
10年前の、祐司との契約したことだ。
10年前、
結城と同じ高校に入学した俺。
その時、・・・俺は結城とは面識はなかった。
たまたま、その高校に入学し・・・同じクラスの・・・隣の席に居たスッゲーー可愛い子。
それが結城だった。
入学式を終え、親と一緒に帰る時にある男に声を掛けられた。
違う高校の制服を着た・・・・祐司だった。
最初は誰???って・・・・・
感じだった。
でも一緒に居たお袋は直ぐに、
「祐司さんーーー、お久しぶりです!」
そう言ったんだ。
祐司は当初から大人びていて・・・お袋と握手をして、
「お久しぶりです・・・。おじさんは元気ですか???」
見てくれからしてお坊ちゃまという感じ。
自分とは対照的なその男に、俺は警戒心Maxだった。
「お父さんねーー・・会社が上手くいかなくって・・・・なかなかねぇ・・・・」
そう、・・・うちの親父は都内で会社をやっていて・・・・そこはなかなかヤバい状態っぽかった。でもまだ学生だった俺には、どこがどうヤバいかってよく分からなかった。
すると祐司は笑って、
「息子さん、この高校に入ったんですね。おめでとうございます。おじさんの会社の事と共に息子さんとお話してもいいですか?」
俺を見て言ったんだ。
えっ???
何で俺???
そう思ったけど、
その時俺は・・・・
ある話を持ち掛けられた。
それを約束してくれたら・・・親父の会社に多額の融資を約束し、必ず潰さないよう守る・・・そう約束をしてくれた。
そして・・・その契約とは他に、毎月うちの家族に100万、俺に30万払うと言ってきた。
高校1年生の俺には・・・まさに夢のような話だった。
しかも・・・・結構簡単な約束事・・・・。
当初はそう思っていた。
何でコイツがそんな金持ってるの???そんな会社に携わる事出来る訳ッ???
そう・・・謎に思っていたら・・・・。
祐司は・・・あの謎の大企業。
OHの会社社長の御曹司だと母親に教えてもらった。
祐司は俺より2歳年上で、高校を出たら直ぐにOHに入社も決まっている。今も高校に通いながら経営の勉強もしながらOHにもすでに出入りをし働いていると言っていた。
俺は祐司との簡単な、
お約束事をし
俺が得たのは、
親父の会社の安全。
毎月うちに100万、俺に30万。
高校卒業後、俺もOHに入社。
これだった。
一度、店に戻り忠司に店の話をした。
「ぇえっ?!」
まぁ、・・・そうなるよねーーー。
「本当ごめん、・・・でもいつかお前に任せて、俺はまた違う事しようかって思っていたから・・・・それが少し早まったけど・・・」
忠司は俺がここをオープンさせた時からずっと・・・一緒に頑張ってきた仲間だった。
「そっかぁー・・・。まぁ・・・でもいつまでも俊也さんに甘えていられないですもんね・・・・」
・・・・・・。
「でも管理はするから、何かあったら直ぐに相談してくれ・・・」
「はい・・・・」
その後、俺は自分のデスクを少し整理し・・・・・。
OH専用の通帳を出した。
はぁ・・・。
また復帰することになるとは・・・・。
思わなかったぜ。
SECRET 前編 丸 @maru111453
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