【第5話】姿を見ないと思ったら
「……お前、ニネットか?」
それは不意に顔を見せた少女の中の一人。
私の同期にして私よりも先に巡礼に向かったはずの
「んん? あぁ、アイファか~。おひさ~」
「あ、ああ。久しぶり……って、お前ここで何をしているんだ?
最初の巡礼に行って以来、
一度も姿を見かけずに半年以上が経っていたと思うが……」
巡礼とは
それ故に多くの
なにせ、我ら
しかも、中には出発地点から一番遠い地への巡礼のついでに、途中途中の町や村の巡礼をこなそうという者もおり、おかげで「4~5年ぶり~」と再会を喜ぶことだって、我ら
なので、ニネットと半年ぶりというのも大したことではないが、そんな彼女との再会が、まるで
一方、そんな何がどうなっているのかわからない私を余所に、ニネットたちの顔を見た
「あらあら、ごめんね~。皆~。
後で皆にもおっぱい、た~っぷり飲ませてあげますからね~♡」
「「「「「はーい♡ お姉ちゃん~♡」」」」」
それは彼女の言葉に、メロメロといった表情で返事をしたニネットを含めた少女たちの返事で……って!
「本当に何があったんだ?!」
お前はどっちかっていうとダウナー系だったろ!?
それがどうなれば今のようになるんだ?!
「それはね……私たちが愛を知ったからだよ。お姉ちゃんの無償の愛を!」
「無償の愛?」
それってやはり、母親に使う言葉ではないのか?
ならばもう、母親でいいのではないのか?
「ダメよ。
あくまでもお姉ちゃんは、お姉ちゃんとして皆を可愛がりたいんだから♡」
「「「「「お姉ちゃん~♡」」」」」
「そ、そうか……」
そうして呆れる私を余所に、無心でおっぱいを吸うエスカ……は、どうでもいいか。
……いや、どうでもは良くないのだが、今のこいつに何を言っても無駄だろうと、「
「私たちは常に命がけで戦っているということを。
世界を守るために、人々を守るために……
死ぬかもしれない危険を冒して戦っているんだってことを!」
「そ、そうだな……」
そもそも、そのための
「でも! でもだよ!?
人知れず死んじゃう子もいる程のことを私たちはしているってのに……
基本的に私たちは誰にも褒めてはもらえない!
感謝されることはあるけれど……
だけど! 私たちを甘やかしてくれる人なんて1人も居ない!
怖い思いをしても、苦しい思いをしても、
あなたみたいにそれは当たり前だと思われて、
あのフォルグ様だって、評価ぐらいしかしてくださらないんだよ!?」
「ま、まぁ、そうだが……って、お前は何を望んで……」
「でも! お姉ちゃんは違う!!
私のことを……私たちのことを全て受け入れてくれたんだ!!!
悩み、苦しみ、嘆き、悲しみ……
それは
失敗したら殺される。
逃げては批難される。
怖いのに怖いとさえ言うことができない。
そんな押し潰されそうになる重圧。
撤退することすら
その全ての答えを彼女が与えてくれたのだと、どこか涙を流しそうになりながら語るニネットには、他の少女たちももらい泣きしそうになっている。
一方で、そんな彼女たちを母親……じゃなくて、姉のような慈愛溢れる微笑みで見つめた彼女はこう語る。
「ふふっ。そんなの、お姉ちゃんとしては当然じゃない。
お姉ちゃんは妹の全てを肯定し、そして受け入れるために生きてるんですもの♡
だから……皆にも、そしてあなたにもハッキリ言ってあげる。
……あなたたちは、生きているだけで素晴らしいのだと♡
頑張ってるあなたたちは皆、その時点で素敵な子たちなのだと♡
お姉ちゃんが認めてあげる♡ 甘やかしてあげる♡♡♡」
「「「「「お、お姉ちゃん♡♡♡♡♡!!!!!」」」」」
「……」
ま、まぁ、実際初めての巡礼で怪我などして、それを起因とした恐怖心から心を病んでしまう
パンツ丸見えの、まるで幼児が着るようなフワフワな服を身に着けながら、今も彼女の母乳に群がろうという姿には、まるで理解ができ……って、そもそもその恰好はなんなんだ?
「これはお姉ちゃんの妹である証♡
お姉ちゃんに甘やかされたい私たちの心の形なんだよ♡」
「そ、そうか……」
正直、言いたいことは山ほどあるが……これはきっと言わぬが花というやつだろう。
そうして彼女らの姿を呆れて見ていた私に対し、一方でその服には予備があったとニネット。
「それじゃあ、ほらアイファ。これ、着てみて?」
「着るか!!!」
何故今の流れで着させられると思った!!
「遠慮する必要は無いのよ?
アイファちゃんもお姉ちゃんのおっぱい、い~っぱい飲みまちょうね~♡」
そうして見せてくるエスカが飲んでいない方の胸。
おかげでその慎ましいとは真逆を行くサイズの胸囲には、
「お姉ちゃん! 私も!!」
「私もおっぱいほちいよぉ!!」
「あたしもあたしも!!」
「おっぱい!! おっぱいぃぃぃぃぃ!!!」
と、ニネットたちが血眼になって欲してしまう。
……って。
以前のニネットからは想像できない姿だなぁ……
ハッキリ言って引くレベルなんだが……私は目を閉じていた方がいいのではないのか?
「ええ、勿論。あとでた~っぷりあげますからね~♡
でも、今はまず、
おかげでどうしようかと迷う私を余所に、お姉ちゃんなる
「「「「「は~い♡♡♡♡♡」」」」」
すると、その言葉にニネットを含めた少女たちは、各々得意とする武器や
おかげで『全員、
「ちょ~っと待ったぁぁぁ!!!!」
それは突然のエスカの声。
その急過ぎる声には私を含めて、流石の襲い掛かろうとしてきたニネットたちまで視線を彼女に移す。
すると……
「それ以上、アイファ先輩に手を出そうものなら……
このお姉ちゃんがどうなるか、わかってるんだろうな?!」
いつの間にかエスカとお姉ちゃんなる
って、こいつはこいつで何してるの?
次の更新予定
2024年12月21日 11:59
世界を変えようと誘った後輩(♀)が、私(♀)とイチャつくことしか考えてない! 井の中に居過ぎた蛙 @frog_in_i
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