第10話

「いいのね、真? 本当に」

日曜日のスタバは(こればっかり)人々の

活気で満ち溢れていた。

「うっ、うん」

真が明に返答した。

「わたし、よーく考えたの。誰かが幸せに

なるためには誰かが不幸せになっても

仕様がないんじゃないかって。だから、わたしが」

パシン!明が真を平手打ちした。

「明」

「妙な理屈で納得するんじゃないわよ。いい、

風俗で働くってことはアンタが考えている

ようななまっちょろいことじゃないのよ」

「わかってる」

「いいえ、わかってない。それはどんなに

覚悟してもし足りないような決意を

必要とするの」

「だから」

「考え直しなさい、真」

「もう、ほっといて!」

「真」

「友情の押し売りはまっぴらごめんだわ。

さようなら」

真が席から立ち上がり去って行った。

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バージンなんかに用はない‼(恋愛疾風怒涛篇) @k0905f0905

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