もしも(し)、あの

母と二人暮らしの少年・ネオが、思春期の入り口に戸惑いうろたえた時、思い出したのは近所の廃病院のことだった。
廃病院への不法侵入に成功したネオは、興奮したままに入口に残っていたピンクの公衆電話の受話器を持ち上げて言った。
「もしもし、あの、誰か聞こえますか？」
「もしもし、聞こえています」
――声が聞こえた。ざらついた低い女の人の声だった。

エンディングテーマ曲：吉澤嘉代子「えらばれし子供たちの密話」

※祐里さんへ伝言：中辛でお願いします🍛
※天井萌花さんへ伝言：もかあわイラスト希望　です