2章 新たなる戦剣の誕生5
お爺さんはゆっくりとお婆さんの方を向いた。しかし、そこにはすでに息を引き取っていた彼女の姿があった。
静かに目を閉じ、彼女の穏やかな表情を見つめながら、お爺さんはぐっと感情を
今度は父の方へと視線を移す。
「これは、初めての闇属性だ。もう二度と誰にも作れんだろう。」
父は驚きながらも疑問を持っていた事を尋ねた。
「なぜ刀なんですか?本来、剣の形ではないんですか?」
お爺さんは微笑みながら答える。
「男が使うんだ、刀の方がかっこいいだろう?」
と言う、父は納得した。続けてお爺さんは説明を始めた。
「『燎(りょう)』系列を知っているか?」
父はうなずきながら答える。
「はい、その一つである
お爺さんは頷き、
「『
と話し始めた。
お爺さんは誰が『
「その
あるいは外国人が日本の技術を取り入れたのかもしれない」と考えを述べた。
父はふと刀を見ながら考えた。もしかすると、『
お爺さんとお婆さんのような夫婦が、使い手の想いを込めて、その技を極めた結果として生まれたのではないかと心の中で思った。
父は一瞬、これを論文にまとめるべきかと考えたが、すぐに思い直した。
もし誰かのための想いなら私なんかが公開すべきじゃないと心から思った
お爺さんがさらに話を続ける。
「最初に作られたのは火。そして、水、土、風と順に作られた。そして最後に光が作られた。
それぞれの剣には意味と力が宿っている。だが、この闇属性の
もしかすると、さらなる上位属性に位置付けられるのかもしれん。それとも、完全に異なる存在かもしれん。」
と言って一息ついた。
お爺さんは父が座っていた椅子に手をかけ、
「みんなを呼んできてくれ」と言った
父は立ち上がり、
「わかりました」
と答えて部屋を出ていくと、お爺さんはそっと椅子を持ち上げた。
そして、お婆さんが座っていた椅子の隣に自分の椅子を並べると、
そこに腰を下ろした。
お爺さんはゆっくりと手を伸ばし、お婆さんの手の上に自分の手を重ねた。
まるで深い眠りに入るように、目を閉じそして静かに息を引き取った。
その瞬間、部屋にはただ
最後の形となってそこに
みんなが工房に入ると、二人が静かに息を引き取ったことに気づき、
その場は涙に包まれた。息子は涙を拭いながら声を振り絞り、
「葬式の準備をしないと」と言い、次の行動を見せた。
みんなが工房を後にすると、父はお爺さんの方を振り返り、ふと目に
そこには父の家族写真と、お爺さんたちの家族写真が並んで置かれていた。
その光景を見て、父はしばらく思いを巡らせた後、自分の家族写真をこの場所に置いていくことを決意した。
父が帰る支度をしていると、孫が部屋にやってきて話し始めた。
「とりあえず、家族と親戚だけでお通夜を行うことにしました。」
その言葉に、悲しみが感じられる。そして孫は続けて、
「ぜひ、お通夜にご参列ください」
と深々とお辞儀をしてお願いした。
父は
「わかりました。何か手伝えることがあれば、どうぞおっしゃってください。」
その言葉は
お通夜が終わり、父が帰ろうとしたとき、息子と孫が歩み寄り、刀を手渡した。息子は、
「
と付け加えた。続いて孫が、
「
と語り、さらに、
「元々
と自信を見せながら微笑んだ。父は
「では、
と言いかけたが、息子が首を左右に振りながら
「もういただきました」
と答えた。続いて孫も、
「お通夜でしっかり受け取りました」
と付け加える。父は驚いた表情を見せながらも深く頭を下げ、
「ありがとうございます」
と感謝の言葉を伝えた。
その後、父は車に乗り込み、エンジンをかけてその場を後にした。
屋敷の
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戦剣―触れし意思、紡がれし想い― たろうEND @tarou_END
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