スナメリの泳ぐ海へ
宮詮且(みやあきかつ)
第1話
「スナメリの泳ぐ海へ」
ぼくの住む町は、ひどく鄙びたところだった。町と呼ぶには憚られる、限りなく村に近い町だ。
入江に背を向けて立ち並ぶ家は、まるでトタンの壁だ。繋がれた漁船に乗って、周りを見渡すと、海に出る以外のすべを無くそうとしているようにも思える。ぼくの家も他の家と変わらぬ立地であるから、窓を開けたらすぐ下に水面だった。夜になんとなく寝付けずに、月を見ていると、それが水面に映っている。いずこから大きなものが、映しとられた月下に迷い込み、潜んでいるようにも思われた。
たぷ、たぷ、と、墨汁のように黒い水面が船縁を叩く音の中に、なにかの息づく気配を感じられないか、ぼくは耳をそばだてていた。聞こえたことはない。なにか特別な、新しい世界が開けるようなこともなく、毎日が明けていく。
町は潮風に苛まれ、張り直しても、トタンはすぐ腐食する。ペンキを何度塗り直しても、守れるものなどほんの少しだ。家の前に置いてあったぼくの黄色い自転車は、すっかり錆びてしまっている。きっともうどこへも行けないのだと、ぼくは諦めたようなこどもであった。新しい本一冊だって、二時間ほど砂利道を歩いて、手に入れなければならないのだから。
海水と砂と、錆びた家屋の他にはほとんどなにもない町を走り抜けて、港から外れた砂辺で貝を掘るのが、ぼくの堅実な娯楽だった。
幼馴染と手を繋いで、食料を調達する遊びというのは、大人たちからしても止める理由もなかっただろう。だから、ぼくたちは、こどもだけの会話をするためにも、よく貝を取った。それは大人には知られたくない、密やかな夢であったり、めくるめく空想の話でもあったりした。その空想の話も、どこか色の褪せた町と、磯と錆のにおいから逃れることはできなかった。
しかし、手を動かす楽しみも、もちろんあった。干潟の砂の中に、ぽこぽことあいた穴を見つけて、手横着鎌で掘る。そうすると、アサリだったりハマグリだったりがころころと出てくるのが、とても楽しい。砂泥を潮水ですすぎ、浮き上がるそれぞれの模様を見る。採れるものが、バカガイだって構わない。名を知らない貝を、光にかざして見るだけでも、どこかから流れてきた宝物のように思えた。一つ一つ違う、貝の模様に想いを馳せ、明る朝には、煮て食べるのだ。
それに、延べ竿で魚を釣るのも好きだった。仕掛けが簡単だから、ぼくにもできる。大人たちは波止場に腰掛けたり、立って投げ釣りをしていたけれど、ぼくは堤防に腹ばいになって糸を垂らし、黒い魚影を目で追う。時に河豚ばかりが釣れて、ひどくがっかりして帰る。たまにグレだとかが山ほど釣れると、意気揚々として家に帰るのだ。
釣れない時は、一日中波を見ている。顔を上げて沖に目を向けると、遠くの方にスナメリが白い背を踊らせて遊んでいるのが見える。
スナメリがくると魚が釣れなくなるから、大人たちは嫌うが、ぼくはあの丸く艶やかな姿が好きだった。どこまでも泳いでいけそうな、あんなおだやかないきものになれたなら、ぼくは海以外を望まずにいられるだろう。
そういう日の夜は、布団に入っても瞼の裏側に波が見える。
ゆたゆたと灰色の視界が揺れる。布団の中で自分が揺れている気がする。泳いでいるようにも感じる。陸にいるのか海にいるのかわからなくなる。
どちらでも構いやしないのだ。境目などあってないようなものなのだから。
陸地に切れ込みのように入り込む、入江を横目に、ぼくはまた明くる日も海に向かって歩く。
それは、ぼくたちが特に気に入っている浜に打ち上がっていた。海と陸との曖昧な境界線。隠れ家のように岩場が囲んでいる、小さな磯辺に、白い巨躯が横たわっていた。
スナメリに似た丸い頭と白い体は、海水に洗われ乾くことなく、てらてらと光っていた。微動だにしないそれを見て、ぼくたちはお互いの顔を見合わせて、これをどうするか小声で話した。
消極的な幼馴染の前で、ぼくは一歩を踏み出した。貝取りの手横着鎌をその白い肉塊に突き刺して、動くかどうか。その白いものの生死を確かめようと思ったのだ。
幼馴染が、ぼくの手を引いた。幼馴染に、ぼくは首を横に振って、繋いでいた手を解いた。
丸く白い頭の傍らに立ち、高く腕を振り上げた。いざ振り下ろさんとしたその時、白い肉塊は音もなく口を開き、ぞろりと並んだ針のような歯をぼくに見せた。
「あ……」
たじろぎ、一歩下がったぼくの足を、唾液に濡れた歯が一息に飲み込んだ。上下に開いた針の群れが、ぼくの膝から下を優しく押し挟む。
幼馴染が悲鳴をあげた。砂を踏む足音が遠ざかっていく。
暫し、波の音だけになった。
ぼくは驚きと恐怖で硬直した体を、なんとかして動かそうと試みたが、指の一本だって動かせなかった。しかし、ぬるりと伸びた真っ白な長い両腕が、ぼくの腕を掴み、肩が抜けるのではと思う程の強い力で引いた。
一瞬、抱擁を期待した。しかし彼、或いは彼女は、ぼくの足を咥えたまま、ぱくぱくと口を動かしたのだ。
――ぬちゃぬちゃぬちゃぬちゃぬちゃ――
よく挽いた魚を、つくねている時の音に似ていた。
「あっあっあっあっあっ」
つま先が空を蹴る。状況を理解した途端に吹き出した嫌な汗が、手横着鎌の持ち手を滑らせた。
すり潰し、噛み切る歯ではないから、肉に針が刺さるばかり。けれど確実にぼくの骨肉を細かく細かく刮げていく。
ぼくの膝から下はびろびろと垂れ下がり、先端に生えていた、小さな丸い足の指の感覚は、ぼくの足から離れていった。
ぼくの膝から下は、失禁した小水と共に彼、或いは彼女の腹の中へと飲み下されていった。次は腿である。
目玉が上を向き、瞬きのうちに覚醒する。ぎゅうと白い手に握られた、ぼくの両腕は痺れ、硬直し、冷え切って動かなかった。
随分長い時間をかけて、巨大な剣山がぼくの腿肉を細切れにしていった。骨についた肉が削がれ削がれ、飲み込まれていく。
酩酊するように視界は歪み、頭がぐらぐらする。失血なのか痛みなのはわからない。猛烈な吐き気がして、ぼくは白く丸い、彼或いは彼女の頭に嘔吐してしまったが、それは咎められることはなかった。
短くなっていく自分の足を見ながら、ぼくは声もなく泣いた。痛みは恐ろしく強く、食いしばった歯の隙間から呻き声をもらす以上のことはできなかった。腕を引かれるので、短くなった分だけぼくの体は下へと下がり、咀嚼される場所は、腰へ、いずれ上半身へとゆっくりと移動していくのだろう。
骨盤に何度も打ち付けられる、細い集団の感触は特に悍ましく、もう思考はぼやけて、消え失せた下半身への執着はなくなっていた。ただ、空が青く海の煌めきが美しかった。白い砂浜で、また貝を掘りたいと願っていた。
沖の方でスナメリの白い肌が、飛沫を受けているのを波間に見る。
いずれ、ぼくは全てを嚥下される。開閉する歯の隙間から覗き見た胃袋の方向は奈落のように真っ暗闇で、しかし生臭いにおいが立ち上っていた。
――アアーーーン アァーーーーーン――
鉄錆と、打ち上げられた夏の魚のにおいの中、ぼくは赤ん坊の鳴き声を聞いた。
ぼくは、目の前にあった重苦しくもやわらかいものを指で割いた。灰色の羊水が砂浜に溢れ、吸われていった。
「あぁ、あぁ。産まれた」
「よかった、よかった。帰ってこられた」
「ショウヨウ、ショウヨウ」
周りの大人が口々にショウヨウと繰り返す。ならばぼくはショウヨウなのだろう。なぜショウヨウなのかはわからなかった。けれどぼくは破水し、陣痛もなく産まれたことを知っていた。
大人たちは口々に、白い御仏がこどもを帰らせてくださる、金の仏を授けてくださると言った。ぼくは確かに、金の仏のような丸いものを握って産まれていた。その仏は大人に取られてしまったから、本当に仏のかたちをしていたのかは知らない。
しかし、白い御仏の口に死んだ子を寝かすと、御仏から産まれ直して帰ってくるのだと、そんな話は広まっていった。すると、あの剣山のような口に死んだ幼児を寝かした者が出た。ぼくと同じように彼は帰ってきたが、それはきっと元のこどもではなかったし、金の仏を握ってもいなかった。
ならばなにを授けられたのだろうと、狼狽える大人たちをよそに、こどもはしきりに頭が痛いと泣いた。そして、翌日に死んだ。
大人たちは原因を突き止めようと必死であった。いや、原因よりも金の仏をどこに抱いているのか、哀れな死体を隙間なく探った。
子を辱められまいと抵抗した母親は、男たちの手で岩場に打ち付ける波の隙間に身を隠された。
斯くして、その幼児の頭蓋から金の仏は取り出されたのだった。ああやはり、あるのだと、安堵した大人たちの心は、もはや正気の沙汰ではなかっただろう。
あの剣山のような歯の間に、死んだこどもを一晩寝かす。
そうすれば成り代わって産まれてくるのだ。ならばそうだ。父無し子も口減らしの子も、拾い子も盗まれっ子も、みな一晩寝かし、成り代わらせて金の仏を産ませればよかろうと。
それは実しやかに漁村に広まっていった。最早それは、みなが信仰する事実となっていく。
ぼくは傍観していた。
愛しい白い母に会いたくとも、毎晩のように母は継子を抱いて眠っているのだ。継子は翌日には、ぼくの弟ないし妹となり、母から産まれる。慈悲深い母から取り上げられた哀れな弟たちは、三晩と生きる事はなかった。一言でもどこか痛むと言えば、そこを切り開かれたからだ。
胸が痛いと泣いた弟は、喉元から懐刀を突きやられ、腹へ向かって一直線に裂かれて死んだ。しかし、ばっくりと開いた胸骨、その中に金の仏は抱かれていなかったから、大人たちは死に物狂いで哀れな弟のはらわたを、引き出し、指先ですり潰し、どこにあるのだと掻き回して探し尽くした。
そうしてようやくまた、頭蓋にあることを突き止めたのである。
その頃には哀れな弟は、既に血のしみとなって砂浜に吸われていた。じきに清廉の潮が彼の全てを攫うだろう。
哀れな妹は、腹が痛いと言って泣いた。
ならば腹を探ろうと、幼い股ぐらを太い指が凌辱したが、そこに金の仏はいなかった。もっと奥かと太い腕を差し込まれて、内側からはらわたを握り潰されて死んだ。股と口から血を吹いて、強く押さえつけられたために、砕けてしまった手足を蛸のように広げて砂浜に落とされた。
そうしてやはり、妹の金の仏は頭蓋にあり、大人たちはようやく、探すならば頭蓋からだと気がついたようであった。
大人たちは、どこからか持ってきた生きた子も死んだ子も、白い母の口に毎晩のように寝かせた。母は子を産み続け、朝になると大人たちがぼくの弟と妹を連れ去った。
港に上がった大きな魚を切り分けるために使われていた包丁は、暴れる弟の手足を落とし、また首を落とすための包丁となった。
雑魚を潰して肥料にするための箱型の機械は、妹の小さな体を潰すためのものになった。
そして、万力は休む事なく子供の小さな頭蓋を挟み、手動穿孔機は頭蓋を穿った。
金の仏は、漁村の家々に満ちて蓄えられた。しだいに、魚を求めて船を沖に漕ぎ出すことは減り、代わりに赤子を探して川を遡るようになった。
こどもを攫い集めるのは、ある種、漁に似ていた。海の魚を攫って食うのと、人の子を攫って頭蓋を開くのと、どれほどの差があるのだろう。
二束三文で売られた子らもまた、船底に転がされてこの漁村へと連れてこられた。
行きに三人こどもを詰めれば、漁村に到着した時に息をしているのは、一人いればよい方だった。それでも、母に抱かせるのなら死骸でも構わないのだから、大人たちはなにも気にしていなかった。船底には子らの腐った汁がこびりつき、猛烈な異臭を放っていたが、大人たちは気づいていないようだった。
港に並ぶ舫い綱が、キシキシとぼくを咎めていた。
「いつまでも孵る気がないんだな。せめて船底を洗ったらどうだ」
「ぼくの船じゃないから、できないよ」
「お前がはじめたことだろう」
「ぼくはなにもはじめていない」
「たまごを増やしているんだろう」
「ぼくじゃない」
「なぜ」
「つまり……ぼくでなくて大人たちが」
「お前の意思はお前のものだと?」
「母はぼくを望んだ」
「愚かなたまごよ。いずれお前の首を飛ばしてやるぞ」
舫い綱が高い声で鳴いた。舫い綱は、今にも破断せんばかりに張り詰めていた。ぼくは、逃げるように踵を返す。
母と邂逅した浜には、小さな頭蓋骨が山になっている。どれも虫食いのように穴を開けられて、潮に洗われて朽ちるに任せている。
哀れな頭蓋骨の穴から、フナムシや小さなカニが這い出してきた。内側に残っていた脳みそのかけらまで、彼らが舐め尽くしているのだろう。白く丸い、弟と妹たち。
しだいしだいに、子らの頭骨の山は大きくなっていった。小さな頭蓋骨にあいた大きな穴を海風が吹き抜けると、細く細く、赤子の泣き声が聞こえるのだ。
ぼくは未だ傍観している。赤子の泣き声は、ぼくの耳にしがみついて離れなくなった。やがて、その泣き声は、村中の大人たちにも届くようになった。
誰もがその泣き声を、ふとした時に耳にするのだ。煮炊きをしながら、赤子が泣いていると気がついて手を止める。赤子などいないのだ。
塩田に海水を撒いていても、泣き声がするのだ。顔を上げて見渡しても、白く粉をふいた塩田ばかりで、こどもなどどこにもいない。
衣服を繕いながら、ふと手を止める。蝋燭の火が揺らめく中に、視線を這わせても座っているのは自分だけだ。
真夜中にふと目を覚ましたその時、微かに泣き声が聞こえる。夢かと思い、目を閉じると微かな泣き声は、部屋の物入れの中から聞こえる事に気づく。
村には、とっくにこどもなどいないのだ。
村人たちは疑心暗鬼になっていた。いもしない赤子を求めて、砂浜を掘ったり、海に潜るようになった。
ぼくは、赤子の頭蓋に寄り添って、体を丸めた。
白く腐った母はまだ生きている。腐乱した母と共に、いつか海に帰ろう。大人たちが散り散りにした、金の仏など、よくよく見れば仏には似ても似つかない。ぼくのあたまにはもう一つ、金の神が埋まっている。
ずっとぼくに語らっているのだ。傍観し、達観せよ。いまはまだ。
大人たちが後生大事に集めて蓄えた海の破片は、いざや漁村の全てを浚って、子らをみんな連れて帰るのだ。
潮に身を任せて、ぼくたちはあたたかな海を巡るのだ。
灰色の瞼の裏側で、ゆたゆたと波に揉まれ、あたたかな海で眠るのだ。目を閉じると、水面が見える。白い母に産みつけられたぼくが孵るまで、じっと待っていれば、安心の中にいられる。眠っていればいい。ただ待てばいい。
そんなしあわせを、ぼくは膝を抱えて、願っているのだ。ただ願っているだけなのだ。
だったらせめて、母の中で眠りたい。その願いは、大きな波が、村を包んで叶えてくれるはずだ。
「ショウヨウ、起きろ」
温かなまどろみから目を開けると、いつか見た幼馴染が、ぼくの顔を覗き込んでいた。影を落とした幼馴染の表情は、真っ黒で見えない。砂浜の感触と磯の匂い。
晴天。初夏のあの日のことを、ぼくはようやく思い出した。幼馴染はあの日、喰まれるぼくを見て、何をしたのだろうか。
「ぼくの弟と妹たちは?」
「きみの弟と妹は、だいぶ前にフカに喰われて死んだだろう」
幼馴染がぼくの腕を強く引いた。ぼくは、どうにも立ち上がる事ができなかった。
「波に任せて、みんな隠せば、なかった事になると思ったんだろう」
「隠してない」
残ったのは、膝から下がなくなったぼくだけだった。ぼくは母の姿を探して、忙しなく周りを見回した。
赤子の声だけが、今もまだぼくの耳に届いている。
「泣いているんだ。弟と妹が」
「それを止めようとしなかった」
幼馴染は悲しそうに目を伏せた。
「でも、もうここには誰もいないんだ。ショウヨウと私だけだ。私たちも、もうここにはいられない」
幼馴染はそう言って、手横着鎌をぼくの頭に振り上げた。鈍いきらめき、初夏の頃に振るった光だった。
――がつんっ がつんっ――
「あっ、あっ、いたい。いたい」
ぼくが悲鳴をあげても、幼馴染は手を止めなかった。ぼくの頭蓋の奥深く、最初のこどもが入っている。それを見透かしたように、幼馴染はぼくの頭を打ち続けた。
頭皮が剥がれ、剥き出しの頭蓋骨に尖った金属の先端が打ち付けられる。びんっ、と、切先が硬い頭骨に弾かれて音を立てている。
穴があけられるのは恐ろしい。あんなにたくさんの、穴のあいた頭蓋を見ても、なにも恐ろしいとは想わなかったのに。
灰色の脳髄がこぼれてしまって、視界が暗くなった。幼馴染は、ぼくの頭に口をつけると、音を立てて脳髄を啜った。母がくれた脳髄を、幼馴染が飲み干して、きっと次は幼馴染が母になる。
幼馴染がぼくの頭蓋に手を差し込んで掻き回す。押し潰される脳の中で膝を抱えていたぼくを見つけ、幼馴染はそっとすくいあげた。
あたたかな頭蓋から取り出されたぼくには、潮風は寒すぎた。芋虫のように丸め、細い泣き声を上げると、幼馴染はそっと手のひらを貝のようにして、潮風をさえぎった。
「寒かろうね」
金色のたまごのように丸く縮こまるぼくを、幼馴染は大切そうに包んだまま、波打ち際に足を浸した。ぼくは指の隙間から、大触角を出して外を窺った。
幼馴染が踏むその足場は、確かに、幼い頭蓋の集まりであった。母のこどもたちの頭蓋は並び、波に削られて砂になる。スナメリの泳ぐ海につながる、浜を作る。
ようやくぼくは、産まれ、海に至ったのだ。母になった幼馴染の胎で育ち、長く時間をかけて、いつかこの浜に還る。また人が住み始めるだろうその浜で、ぼくは悲願を果たすのだ。
了
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