エピローグ 二人の未来

大学を卒業して数年後、二人は結婚した。挙式の日、愛理は装具をつけた足でウェディングドレスをまとい、優也とバージンロードを歩いた。その姿に、列席者たちは涙を流しながら祝福の拍手を送った。


「これからも、ずっと一緒にいようね。」

愛理が笑顔で優也に言うと、彼は力強く頷いた。

「もちろんだ。お前を支えるために、俺はここにいる。」


そして家族の物語へ


結婚から数年後、二人には一人の女の子が生まれた。名前は「陽菜(ひな)」と名付けられた。小さな陽菜は、愛理の明るさと優也の優しさをそのまま受け継いだような愛らしい子供だった。


愛理は母親としての喜びを噛み締める一方で、足の不自由さが子育ての中で障害になるのではと不安を抱いていた。しかし、優也の協力と家族の支えによって、その不安は少しずつ解消されていった。


ある日、陽菜が母親に向かって言った。

「ママ、ダンス教えて!」


その言葉に愛理は驚きつつも、胸が温かくなった。子どもの無邪気な願いに応えるため、愛理は久しぶりにノートを開き、陽菜と一緒に簡単なステップを練習し始めた。


「陽菜、ここは手をこうして……。」

「ママ、すごい!もっと教えて!」


ダンスは再び愛理にとって特別な時間になった。それは、かつての自分と、今の自分を繋ぐものだった。


未来への希望

陽菜が成長するにつれ、愛理と優也は彼女の成長を見守りながら、自分たちも少しずつ新しい夢を描いていった。愛理の足は完全には治らないが、それを受け入れた上で、自分らしい人生を歩むことを選んだ。


「ねぇ、優也。」

「ん?」

「私、幸せだよ。」


夕暮れの中、家族三人で手をつないで歩く。二人が青春時代に経験した苦しみや葛藤は、こうして未来へと繋がり、新しい希望となって輝いていた。

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歩み続ける光(全12話、毎日0:00更新) @crt

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