南アフリカ最後の日

第二次世界大戦に勝利したナチスドイツは、アメリカ合衆国との冷戦を繰り広げていた。
軍事力のみならず宇宙開発の分野でも躍進したドイツは、アメリカに先駆けて有人月面着陸を成功させた。

アフリカ大陸にはドイツ領植民地である「国家弁務官区」が建国され、アメリカの支援を受ける南アフリカ共和国との間で代理戦争の危機が高まっていた。国家弁務官区には多数の強制収容所がいくつも建設され、国境沿いの南アフリカ軍が監視の目を光らせていた。その最中、ドイツは有人火星着陸の計画を進めており、惑星間航行に必要な人口冬眠技術を開発するため、強制収容所での人体実験を繰り返していた。

ある日、強制収容所の監視のためパトロール中だった南アフリカ軍が突如として攻撃を受ける。それは、国家弁務官区に駐留するドイツ軍からの攻撃であ…続きを読む