この世は宇宙人でできている

第4話 異世界にワープ出来るみたいです。

　ここ数日、宇宙人と生きている友人との連絡が取れなくなった。友人から連絡が来て、話をする。結論は、友人が自分の家族のことを思い出してから、連絡が取れなくなったことが分かった。友人の家族は独特だ。大学院を卒業してからは、ほぼ会っていないらしい。友人に経緯を説明するように言ったところ話し始める。

　職場で何気無く、家族構成の話になり、話した夜、久しぶりに気になってネットで家族について検索したらしい。なぜだか、名前が珍しく、ネットの記事で家族の近況や仕事内容がポツリポツリと出てきたようだ。ある一人は、職場で優秀な人材らしく、将来有望なことが分かったようである。やはり、何十年会ってないとはいえ、家族が頑張っている姿は、嬉しかったようである。そこまでは良かったはずなのに、なぜか、そこから不安が押しよせ、その不安を書き消すかのように、YouTubeで予言や都市伝説にハマり、毎日、不安になっていて、誰とも話せなくなってしまったらしい。

　この友人から見ると、世界は宇宙人で溢れているようだが、こちらからすると「宇宙人はお前だよ。」と言いたくなる。

　家族がきっかけであることを伝えてから、心が軽くなった。頭の中の警告音が消えたようで

、またいつもの日常に戻りつつあるらしい。一体、誰が宇宙人でいつ宇宙人になるのか、分からない世の中だ。