お香やら

入江 涼子

第一話

 こんにちは。


 今回はお香で書いてみたいと思う。大体、古代には香木を焚いて香りを楽しむ文化は日本にもあったようだ。中国や朝鮮半島などにも昔からある。

 現在、某公共放送にてやっている大河ドラマは平安期を舞台にしているが。この時代に、お香は薫物たきものと呼ばれて非常に発達した。

 薫物合せ《たきものあわせ》と呼ばれる遊びもあったらしい。いろんな種類のお香を調合して判者に聞いてもらい、勝ち負けを判定する。

 ちなみに、お香は香木と呼ばれる木材やいろんな材料を砕いたり、削ったりして。甘葛あまずらや蜂蜜などでこの材料に加え、練り込む。陰干しをしたりなど幾つかの工程を経て完成と言える。

 当時は練り香とも呼ばれ、よく使われていた。甘葛は甘い汁が出るツタ植物から取ったシロップだ。

 まあ、香壺に丸薬状にしたお香を入れ、庭園の一角に穴を掘って。埋めて熟成もさせていた。

 

 匂い袋も昔はえび香や香袋と呼び、着物の袖の中や袂に入れて香りを楽しんでいた。聞いた話だと、平安期の公達は着物の両袖に小さな香炉を忍ばせていたらしい。だから、ゆっくりとしか歩けなかったようだが。

 話が逸れた。平安期のお香で有名と言ったら、室内用の六種のお香がある。

 春は梅花、夏は荷葉かよう、秋は侍従に落葉、冬は菊花や黒方だ。梅花は梅の花の香りを模しており、華やかな感じで。荷葉は蓮の葉っぱから作られている。爽やかな香りらしいが。

 侍従は渋めで控えめ、落葉はしっとりした香りだ。菊花は菊の花の香りを模しているが。こちらは嗅ぐと長生きできると言い伝えがある。

 黒方はお香の中で一番、高価な材料を使っていて。非常にほっとする温かみのある香りらしい。

 私、荷葉に近いお線香は嗅いだ事があった。だからか、荷葉はまだイメージができる。

 他はさっぱりだが。現代では兵庫県の淡路島がお線香の産地でよく知られている。

 お線香を製造する会社もあり、私も昔に訪れたのを覚えているが。販売コーナーにお香の良い香りが満ちていた。

 確か、安めのを買ったか。

 また、新潟県でも匂い袋を買った事があった。なかなか、良い香りで一年くらいはもったと思う。

 

 それでは短いが。失礼する。

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お香やら 入江 涼子 @irie05

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