恋するストーカーがダンジョン深奥部で放つ気高き紅蓮の火球よ
- ★★★ Excellent!!!
本編となる長編があり、これはそのサイドストーリーです。本編未読でこちらだけ読んだのですが、まったく問題ないです。逆にこちらだけ読むと、本編の雰囲気やだいたいの設定が理解できます。
恋する彼を追って──もしくはストーキングして、ダンジョンの奥深くへ進行する火神聖。下級の敵を屠りながら進む彼女の行く手に、強力な敵が立ちふさがります。本作はその敵とのバトル・エピソード。
練り込まれているが分かりやすい設定のバトルは、勢いがあって爽快です。風を切る刀の刃鳴り。空気を焼く爆炎。鮮やかな回し蹴り。
ストーリーも、短いながらも起承転結がぴしりと効いて、壮大な本編の作品世界を堪能できる満足の読後感です。ここから本編へ行くのも、全然ありだと思います。